個人的には、桑田佳祐も長渕剛もまったく別ジャンルであると捉えている。
音楽的な志向も違うだろうが、唯一政治だったり社会のあり方に対して異議を唱えるスタンスは似ている。長渕は我が道を示し、桑田は在り方に疑問を問う。ただアーティストはそういうものである。
長渕剛と桑田佳祐のBEEFは、舐達麻とBADHOPのやつに通じるものがあるんだよな。勝負するんだったら音楽と音楽でやろうなんて綺麗事はなしだとリアルを持ち出した長渕ザーと歌詞で叩いた桑サイクッシュ。
— Z李 🇺🇦 NO WAR 🕊 (@ShinjukuSokai) 2024年2月3日
直接わからしてやろうかと言いつつ歌も返してあげたワイザーは長渕剛の上位互換かもしれない。
音楽仲間の友人が昔「桑田佳祐の歌詞には感動も情熱もないが、何十年歌い続けても飽きない無意味さがある。中島みゆきや長渕剛みたいなのは、20年後には自分が一番飽きてる。ヒットすればするほど、何千回も歌わなきゃならないから(意訳)」と言ってて、その指摘は正しいと思った。
— またの名を田中@モデルナ×4完 (@rafcooc) 2017年12月31日
☟下記にて、長渕と桑田における確執を踏まえて時代をまとめたブログが綴られているので、こちらの方がより詳細に関係性を追うことが出来るだろう。当ブログでは音楽紹介として進めていく。
長渕剛
長渕剛は歌う詩人である。夕方や夜の暗い時間に家で内省的に聴きたくなるような作品が多い。
長渕剛って見かけは強くてたくましい男のように見えるが実際歌を聴いてみると、人間の、男の弱い部分を歌にしているような感じで、分かりやすく言えば男版西野カナのような感じ。常に哀愁が漂い、一匹狼な孤独感と葛藤、そして湧き上がる情熱が込まれている。
「週刊ザテレビジョン」では、イメージが合わないことを理由に、レモンの使用を拒否したことでも有名。
妹はエグザイルの大ファンだった。
— 恒河沙ハルカ (@animaskypeople) 2017年8月28日
あの男らしさ、悪そうな雰囲気、肌の黒さ、筋肉美、素肌にスーツ、高い歌唱力。妹はエグザイルのそういうところが好きすぎた。
ある日、妹のそんな気持ちが頂点に達し、ナゼか気がついたら同じ特徴を持つ長渕剛のことを好きになり、今では長渕剛だけが好きらしい。
―――初期~80年代前半
初期は比較的青くてピュアな遊んでいる若い男の物語のようで、恋愛模様を描いていたり、振り回される男女を描いたラブソングが多い印象。長渕自身も澄んだハスキーボイスで若干女々しい感じの好青年っていう印象。
■長渕剛『風は南から』
初期は澄んだハスキーボイスで、気弱な好青年風のボーカル。「いつものより道もどり道」は夕方家族の元に帰える時に聴きたい。「待ち合わせの交差点」はカントリー風のリズム感でボーカルのファルセットが美しい。「巡恋歌」と言ったら湘南乃風ではなく長渕剛。
■長渕剛『逆流』
一発目「風は南から」、締めのようなクライマックス感。寂れた喫茶店が見に浮かぶ「順子」はやっぱり名曲。同じく「素顔」も良い。
■長渕剛『乾杯』
イントロから惹きつけられる「決心」に、サビが素晴らしい「もう一人の俺」。昔の青春恋愛ドラマのような「プライベート」。有名な表題曲の「乾杯」も初期は澄んだ青い歌声で、もっと若い人が大人の階段を上った苦労や達成感みたいなものが感じられる。
■長渕剛『時代は僕らに雨を降らしてる』
表題曲は7分強ある長編だが、雨上がりの赤い空の黄昏時に聴きたい雰囲気の作品。次曲の「どしゃ降りRainy Day」もファルセットが心地良いブギーなチューン。その次の「交差点」「愛してるのに」もジャケのような夕焼けが似合うバラード。
■長渕剛『HEAVY GAUGE』
「おいで僕のそばに」は切ないメロディでアレンジがドラマチックで良い。軍歌のような「冷たい外国人」に、寝そべって歌った「すべてほんとだよ!!」。「午前0時の向こう側」も名曲。
■長渕剛『HOLD YOUR LAST CHANCE』
全体的に爽快感のある爽やかな作品。清涼飲料水のCMのように爽快な「SHA-LA-LA」からスタート。酒で焼いた喉の奥に以前のような好青年を感じる「TIME GOES AROUND」はほぼエレキの弾き語りで、後からドラムが入ってくる。長渕っぽくないというか、古臭くない名曲。「COME BACK TO MY HEART」もカッコ良い。『家族ゲーム』主題歌の「孤独なハート」はポップな感じで爽やか。尾崎豊っぽい。
―――「STAY DREAM」以降
ここに来て何かが吹っ切れた印象。精神的に追い込まれた長渕の魂の叫びが「STAY DREAM」。どこまでも暗くてどん底を感じるが、表題曲をラストに持ってくることで、どん底の真下から上を見上げて希望の光に問いかけるような、意を決するような名曲。今の長渕の印象はこれ以降の音楽傾向に出ていると思われる。
■長渕剛『STAY DREAM』
全体的に弾き語り主体の本作で、長渕自身が相当病んでいた時期の作品。相当暗くて気分がずっしり落ち込むが、徐々に前向きになるような雰囲気を感じる。暗く俯き歩きながら高架下を歩く様が思い浮かぶ「だん・だん・だん」。ピアノ弾き語りスタイルの「俺たちのキャスティングミス」はドラマチックな雰囲気で感動する。締めを括る表題曲「STAY DREAM」はイントロのない名曲だが、ピアノとボーカルのみでここまで感動的でクライマックスな名曲は無い。
■長渕剛『LICENSE』
「泣いてチンピラ」からいきなりエールのように励まされる。「パークハウス 701 in 1985」は隠れた名曲的な感じで、惹き込まれるバラード調ラブソング。「ろくなもんじゃねえ」はやっぱ名曲。スキャット的な「ピーピーピー」が印象的。その後のレゲエ的リズムの「He・la-He・la」もイカしていて、なんとなく桑田のサザンっぽい雰囲気。
■長渕剛『昭和』
昭和が終わるときにリリースされた作品。渋すぎるジャケでカッコ良過ぎる。「くそったれの人生」から最高。「GO STRAIGHT」もカッコ良いしまだ80年代を感じさせる。「とんぼ」疲れてやさぐれた体と心に滲みる。疲れ後のビールの一杯を飲み干したように染み渡って涙があふれる名曲。クライマックスのような曲だが、これからも続いていくような、歩みを進めていくような感じさえある希望の歌。これを聴いては自分を嘲笑する。「シェリー」も最高。
■長渕剛『JEEP』
「女よ、GOMEN」から男くさい渋い歌。痴話げんかして酒場で一人飲む時に聴きたい。レゲエのようなリズム感の「友だちが いなくなっちゃった」は大人になるにつれて孤独になる大人の男の歌で、仲良しクラブの付き合いはまっぴらさって哀愁漂いながらも一匹狼のように生きる勇ましさに励まされる。バラード調と長渕の孤独な歌唱が沁みる。表題曲も軽快なリズムながら、どこか放浪の旅に出るような哀愁が付きまとっている。
■長渕剛『JAPAN』
アップテンポで日の出と共に聴きたい「JAPAN」から開幕。ちょうど2曲目の「俺の太陽」も西部劇のような雰囲気。
■長渕剛『家族』
大麻取締法違反による逮捕からの復帰第一弾。いきなり地域の祭りのような掛け声とギターリフで始まる「三羽ガラス」。全体的にアコースティックで哀愁漂う作風。「明日」とか哀愁漂う切ないフォーク。「耳かきの唄」とか凄い。「友よ」はノスタルジックを感じて泣ける名曲。「家族」もカッコ良い。
■長渕剛『ふざけんじゃねぇ』
全体的に落ち着いていてバラードやフォークという雰囲気。「ふざけんじゃねぇ」は桑田へのアンサーソングか? やっぱり我が道を往く長渕らしい歌詞。ロック調ではなくバラード調で緩やかなのがまた良い。
■長渕剛『SAMURAI』
日本をテーマにしたくらい、つくづく長渕剛って日本って感じのロック。和太鼓のイントロの「Never Give Up」から祭りのような雰囲気がある。「お釈迦さま」とかカッコ良い。「ふたつの責任~愛してる~」はシンセサウンドで安全地帯っぽい感じがする艶のある歌だが、メロディは民謡みたいな感じ。和風かと思ったら急にクリスマスの「俺たちの心にジングルベル」は終盤にかけて家族総出でコーラス。「でんでん虫」然り童謡をテーマとしている感じがする。
―――2000年以降
これまでは自身の思いや葛藤を描いてきて、そこに在る感情を歌ってきた印象ではあるが、00年代以降は社会問題や政治などに対してのメッセージ性が強い。自身の思いを表明してきたこれまでから、誰かに送るエールやメッセージを伝えたいというこれからの意識に変わっていっている。
■長渕剛『空 SORA』
全体的に落ち着いた雰囲気で、人への思いを内省的に捉えた作品が多い印象。「すっからぴんのからっけつ」は凄い長渕っぽい。「コオロギの唄」は母に向けて送った感動のバラード。「パラシュート」も最高。
■長渕剛『Keep On Fighting』
「情熱」からアップテンポでエンジンが掛かる。表題曲は長渕節を感じるニュージャックスウィングみたいな曲。そこからレゲエのような「LANIKAI」からしっとりしたバラードの「八月の雨の日」。「人間なんて」のオマージュのような「人生はラ・ラ・ラ」。渋くてカッコ良い「桜島」からの「しあわせになろうよ」で良いエンディング、余韻。
■長渕剛『Come on Stand up!』
長渕の口から「スタバ」と言う言葉が聞ける「鹿児島中央STATION」に、ノリノリで布袋っぽい「いけ! いけ! GO! GO!」。「Run & Dash」は筋トレを歌った感じでトレーニング名およびマシン名が出てくる。これ聴きながら筋トレしたい。士気が爆上がりする「神風特攻隊」。ラストの「鶴になった父ちゃん」は感動する名曲で、オーケストレーションのアレンジが素晴らしい。
■長渕剛『FRIENDS』
進軍のような「SAMURAI」は士気が上がる神風のような曲。「蝉 semi」は紛うことなき名曲だが、その次の「君のそばに...」も純粋でストレートなラブソングで感動する。TOKIOに提供した「青春」もカッコ良い。実際に高校の生徒が作詞に参加した「卒業」も名曲。
■長渕剛『TRY AGAIN』
「Happy Birthday」感はないものの素晴らしい1曲目に、スカパラのような、サザンのような豪華かつラテンを感じる「女神のスウィング」も新鮮。アコギにリズムマシンの「知らんふり」も渋い。中盤に差し掛かって生のドラムに変わってギターも音色が豊かになり、シンセが入ってくる。寝る前に聴きたい「ブルームーン」もオーケストリングが素晴らしい。
■長渕剛『Stay Alive』
東日本大震災に影響を受けて歌われた作品が多い。全体的にはバラードが多く、優しい歌唱。「カモメ」ではストレートに原発を批判する内容となっている。「明日をくだせえ」はギターリフとドラムが徐々に盛り上がっていくのがカッコ良い。「ひとつ」は初期の長渕剛のような純粋で綺麗なファルセットを堪能出来る名曲。
■長渕剛『BLACK TRAIN』
若者に向けたような、新境地的な革新的なアルバム。大先輩長渕オヤジからまだ青い自分にフレンドリーに接してきているような印象。表題曲はカントリーのようでダンサブル。「嘆きのコーヒーサイフォン」はラップのように捲し立てて話すパートが特徴的。「Loser」では4つ打ちのリズム感でサカナクションとかスーパーカーっぽい感じがある。「かあちゃんの歌」も温かい。「マジヤベエ!」は砕けた印象で、弾けている。
■長渕剛『BLOOD』
ある種、原点回帰のようにも感じる本作。おじいちゃんとなった長渕剛の作品。相変わらず「路上の片隅で」から政治批判。「いいんだよ ばーか!」はとてもシンプルな歌詞ながら、長渕がここに来てこれを歌っていることがとても意味深い。自分らしくナンダカンダ生きてきてここまで来ている。だから大丈夫だ、みたいなエールに思えてくる。「黒いマントと真っ赤なリンゴ」はどこか懐かしい長渕の曲。「ZYZY」は親父としての長渕と自身を支えてきてくれた親父・お袋に捧げた感動的な家族への思い。息子でなくて孫に「じぃじ」として歌っている。ラストの表題曲がなかなか感慨深い。
カバー
■長渕剛『NEVER CHANGE』
イントロが付け加えられた「STAY DREAM」に、どん底から立ち直って生まれ変わったような印象を受ける。ロック感の増した「あんたとあたいは数え唄」。今の長渕剛のイメージがこの時点で出そろったような作品。
桑田佳祐
一方、桑田佳祐の曲及びサザンの曲はパリピおっさんのような、いつまでも前向きに楽しく生きるようなパワーを与えられる。
桑田佳祐及びサザンオールスターズは日本語の歌詞なのに言葉遊びとか、仲間内でこの歌詞面白いだろうと思って歌うような、電気グルーヴにも通ずる歌詞の重くない意味の含みがある。
山下達郎が、桑田佳祐と自らを比較して「桑田の曲は本人の詞さえあれば成り立つが、自分の曲はそうではない(サウンドがないと成り立たない)」と言っていたが、これ一つは、桑田の言葉そのものが持つリズムとかグルーヴにあるのではないかと。そこですべて規定されちゃうというか、強力なものがある https://t.co/bdWQ1sp4zx
— 吸い雲 (@maruomarukido) 2024年7月16日
■桑田佳祐『Keisuke Kuwata』
前向きな気持ちになれる「悲しい気持ち」と「いつか何処かで」といった名バラードを収録。「こんな夜には踊れない」のニューウェーブ的曲。
■桑田佳祐『フロム イエスタデイ』
桑田ソロのベストアルバム的作品だが普通にオリジナル・アルバムとして聴く事が出来る。「Blue 〜こんな夜には踊れない」はラテンっぽいダンサブルなトラック。「誰かの風の跡」は癒しのバラード。KUWATA BAND名義の「スキップ・ビート」のリズム感も癖になる。ど下ネタの「クリといつまでも」で〆。
■桑田佳祐『孤独の太陽』
全体的にカントリー/ブルースっぽい。弾き語りが多く、長渕っぽい感じもする。フォークソングのようなアコギの「漫画ドリーム」。「月」の渋さ。「真夜中のダンディ」も最高。長渕剛へのBEEFである「すべての歌に懺悔しな!!」は新鮮。
☟「真夜中のダンディ」は30年以上前に行われたTHE FIRST TAKEと言われていて、一発撮りで鬼気迫る歌唱が魅せられている。
■桑田佳祐『ROCK AND ROLL HERO』
社会批判的なメッセージ性が強く、ロック色の強い作品。表題曲のイントロのギターリフが印象的。「或る日路上で」も物語の始まりのようなボルテージがある。タイトルの割にアップテンポな「BLUE MONDAY」。桑田佳祐にしては珍しい短調な「東京」は歌謡曲って感じ。スピード感のある「東京ジプシー・ローズ」もカッコ良い。「質量とエネルギーの等価性」とかミクスチャー・ロックっぽい。
■桑田佳祐『MUSICMAN』
バラード、ハウスやジャズなどスタイルは雑多。「SO WHAT?」はアダルトな雰囲気のジャジーなテイストの楽曲で、クレイジーケンバンドっぽい。「銀河の星屑」とかアニメのオープニングのような美しい夜空が浮かぶ名曲。「君にサヨナラを」は紛うことなき名曲、聴けばわかる。「OSAKA LADY BLUES 〜大阪レディ・ブルース〜」はタイトルの割には明るくポップでサビのリズムが癖になる。「EARLY IN THE MORNING 〜旅立ちの朝〜」は喘ぎ声がサンプルされ、下ネタオンパレードながら「めざましテレビ」に採用された楽曲。「本当は怖い愛とロマンス」はサビはもちろん結構イントロが良い。 「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」は作中珍しいビートのほぼない名バラード。
■桑田佳祐『がらくた』
すべてがヒット曲のようなキラーチューン。「大河の一滴」はまたもやラテン調でダンサブルな作風。「簪 / かんざし」は歌謡曲のような切ないバラード。ポップな「愛のプレリュード」「百万本の赤い薔薇」にバラードな「君への手紙」。途中ループする箇所が不気味な「サイテーのワル」。ダブのようにミドルテンポの「ヨシ子さん」。「Yin Yang(イヤン)」はクレイジーケンバンドのような雰囲気。
サザンオールスターズ
こうして聴いてみると案外サザンがリリースしているアルバムは少ない。結構シングルで名曲を連発しているようにも思え、こういった名曲は案外アルバムには収録されておらず、ベスト盤にのみ収録されているケースも少なくない。
桑田佳祐22歳、大人たちの冷ややかな目も何のその。やりたい事やればいい、若者のあるべき姿。。 pic.twitter.com/g2OXbiuORe
— 手を繋げない人間 (@nohandhuman) 2024年5月17日
サザンはいつの時代の曲を聴いても名曲があるしサビが生えない。というよりいつ聞いても古さを感じない。これから遊びに行く時、実家に帰省する時のワクワク感のようなテンションを与えてくれる。洋楽のようなトラックの上で言葉遊びをするポップス。早すぎたJ-POP。
Adoさんの『うっせえわ』が教育に悪いと言っている親御さんは思い出してみてほしい。昔はサザンオールスターズの『マンピーのGスポット』を大声で歌う小学生がいたことを。たぶんなるようになる
— 山椒 (@neo_san_sho3) 2022年1月25日
サザンは日々を明るく元気に暮らすためのモチベーションを保ってくれる。日中の明るい時間に外出して聴きたくなる作品が多い印象。
■サザンオールスターズ『熱い胸さわぎ』
「勝手にシンドバッド」のサンバチックな異様な盛り上がりと曲の面白さは異常。「今何時?〜」からの歌詞はもはやフレーズの発明。「勝手にしやがれ」と「渚のシンドバッド」を掛け合わせたタイトル。よく考えるとサザンってフィンガー5とかの雰囲気に似ている。初期はトラックが凄くシンプル。
■サザンオールスターズ『10ナンバーズ・からっと (10 Numbers Carat)』
「気分しだいで責めないで」は「勝手にシンドバッド」的リズムでやっぱりとこかラテンのカーニバル的な感じがする。「いとしのエリー」はやっぱり名バラード。スティービー・ワンダー感がある。
■サザンオールスターズ『タイニイ・バブルス』
ドラムの松田弘がボーカルをとる「松田の子守唄」は森田童子っぽ80年代歌謡のような雰囲気。しっとり系が多い中「C調言葉に御用心」はやはり名曲。
■サザンオールスターズ『ステレオ太陽族』
80年代っぽい渋い曲「夜風のオン・ザ・ビーチ」。ディズニーの劇伴のような「我らパープー仲間」も最高。ゆったりとしたテンポの「栞のテーマ」も最高。
■サザンオールスターズ『NUDE MAN』
「夏をあきらめて」も「匂艶 THE NIGHT CLUB」もイントロから惹き込まれるし、ディスコティックでシティポップな「女流詩人の哀歌」。
■サザンオールスターズ『綺麗』
60~70年代サイケロック的歌謡曲の「そんなヒロシに騙されて」は最高。「Yellow New Yorker」は盛り上がるポップロック。
■サザンオールスターズ『人気者になろう』
ディスコ/ニューウェーブっぽい雰囲気が強い。意外とシンプルな伴奏の「ミス・ブランニュー・デイ」は名曲。「海」も良い。
■サザンオールスターズ『KAMAKURA』
2枚組アルバム。ロキシーミュージックっぽい雰囲気がある。「Computer Children」からSE盛りだくさんの80年代ニューウェーブでOTT手法を用いている。「死体置場でロマンスを」は最高のディスコロック。「Melody (メロディ)」のシンセのバラード曲もしっとりしていて最高。「鎌倉物語」はイントロから最高。「Bye Bye My Love ( U Are The One )」も名曲。「怪物君の空」も最高に盛り上がれるチューン。
☟本アルバムには、下記のように高橋幸宏が叩いたドラムが数曲サンプリングされているらしい。事後に許可を取ったようだ。
880 名前:可愛い奥様[] 投稿日:2013/09/12(木) 05:55:00.65 ID:4tBYC/tY0
サザンと言えば高橋幸宏を思い出す。寝起きになんとなくラジオを聴いていたら桑田佳祐の歌のバックに
自分のドラムの音が聴こえてきて、
まだ寝ぼけてたから「あー、そういえばサザンのバック演ったっけ…いや、やってないッ!!」と驚いて
飛び起きて、元YMOの打ち込みスタッフだった藤井丈司に電話を掛けた時の藤井の一言。「ごめんなさい、パクりました」
YMOのスタッフ仕事のときに高橋幸宏が叩いた音をサンプリングしておいたデータを
サザンオールスターズのレコーディングで無許可で使いまくったというのが真相。
結果、レコーディングには参加していない高橋幸宏のドラムの音が
サザンのアルバムで堪能できる結果に。
■サザンオールスターズ『サザンオールスターズ』
前作を最後に85年に活動停止、からの88年復活の90年作。「YOU」のサーフィンのように波に乗っているような感じが最高。原由子ボーカルの沖縄風の「ナチカサヌ恋歌」の曲も良い。
■サザンオールスターズ『稲村ジェーン』
ミュージカルのような作品で、インタールードとして男女の会話みたいな部分が差し込まれる。全体的にラテンぽさがあって表題曲からその印象。次曲には名曲「希望の轍」にグループサウンズのような「忘れられた Big Wave」が続く。映画主題歌の「真夏の果実」も収録。
■サザンオールスターズ『世に万葉の花が咲くなり』
全体的にテクノポップみたいなサウンド。四つ打ちが心地良いディスコチューン「シュラバ★ラ★バンバ (Shulaba-La-Bamba)」はテンションが上がる。「涙のキッス 」はもちろん名曲。
■サザンオールスターズ『Young Love』
前作とは打って変わってロックやファンクてき前作に引き続いてテクノポップ感のある「愛の言霊」は最高に盛り上がる。「恋のジャックナイフ」は歌謡曲っぽくありながら、ビートロック的なイントロ。
■サザンオールスターズ『さくら』
サザンにしてはダークでヘヴィな仕上がり。冒頭から洋楽みたいなハードロックっぽい「NO-NO-YEAH / GO-GO-YEAH」。完全ド下ネタで空耳アワーっぽい「マイフェラレディ」に名曲「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」。「爆笑アイランド」は痛烈な社会批判ソング。 サタデーナイトフィーバーっぽさがある「PARADISE」。
■サザンオールスターズ『キラーストリート』
ボリューム満点のアルバム。「彩 〜Aja〜」「涙の海で抱かれたい 〜SEA OF LOVE〜」「LONELY WOMAN」など全体的にはポップなバラード作品って感じだが「JUMP」「Mr.ブラック・ジャック 〜裸の王様〜はファンキーで、「DOLL」はR&Bのよう。「殺しの接吻」はクールでジャジーな歌謡曲って感じだし、「愛と欲望の日々」はキラーチューン。
■サザンオールスターズ『葡萄』
「アロエ」から清々しい開幕。なんかもう最近のサザンはアルバム自体がベストアルバムみたいな感じがある。先行配信されていくシングルの粒ぞろい感。「ピースとハイライト」とか最高。歌謡曲って感じの「ワイングラスに消えた夢」ゆったりとしたバラードの「蛍」も名曲。
■サザンオールスターズ『THANK YOU SO MUCH』
恋も人生もエロも、教えてくれたのはサザンだった。
— BRUTUS (@BRUTUS_mag) 2025年3月7日
デビュー直後のサザンに大きな衝撃を受けた内村光良、岡村靖幸の2人が、現在もリスペクトし続ける理由、そして新作『THANK YOU SO MUCH』に思うこととは。 pic.twitter.com/JaqCoylRDX
ディスコチックなミドルテンポ「恋のブギウギナイト」。ここに来てサザン初の春ソング「桜、ひらり」。短調の「暮れゆく街のふたり」は演歌やブルースのような雰囲気でオシャレ。
以上。