あの、大昔ぼくインタビューでね 「人は一瞬のハッピーがあったらまた走れる」 って言ったことあるの どういうことかって言ったら 毎日毎日ハッピーが来るわけないんだよね で、今日もこれか昨日も、明日もこれってときに 土曜日あたりに何かいいことが一発ポーンとあったら また来週一週間がんばれるって 人間そんなもんじゃない? そんなもんよ
下手な自己啓発本を読むくらいなら矢沢の『成りあがり』読んだ方がよっぽど人を本気にさせる。
―――確立の中で反撃しろ、負い目がないようにな
矢沢はやっぱり筋が通っている。自分の指針にブレない。人間の弱い所ってあるはずだが、矢沢はそういう部分を認めた上で指針を示し、有言実行に動いている。カリスマってこんな感じだろうし、いつもカッコ良い憧れの先輩みたいなのをずっとやっている。
自己陶酔する才能。自分は最後にはスーパースターになるんだと思ってバイトを続け、高校卒業後、親戚の家に挨拶回りに行って、貯金5万に書いた譜面をトランクに詰めてで横浜を目指す。
最初のザ・ベースからヤマト、そしてキャロルへ。メンバー募集して集まってはカバー曲から練習。ディスコなどで演奏していく日々だが、メンバーチェンジの場面はまあシビアで、最高のメンバーが集まるまでさりげなくメンバーを弾いたりしながらバンドを形成して行ったが、どんなメンツだろうと最高のバンドにマネジメントしていった永ちゃんのカリスマ性や凄さはバンドを始める以前から形成されてきた人生哲学みたいなものが功を成した感じがある。
―――詐欺に遭った借金35億を7年で完済
ちなみに、永ちゃんは過去に35億円規模の詐欺に遭ったことがあったらしいが、これを7年間で完済しているようだ。積水ハウス地面師詐欺の55億5千万円に匹敵するほどの巨額な詐欺だったが、税理士から「矢沢なら返せない額ではない」との旨を頂いて奮闘したようだ。流石の矢沢もこれには参っただろうが、それでも完済(2004年に完済済み)して今もなお第一線で活躍しているのが凄い。
矢沢永吉さん、詐欺で借金35億円を背負っていたと告白https://t.co/B47BlAwfTw
— 滝沢ガレソ (@tkzwgrs) 2022年7月20日
詐欺から7年後に35億円を完済し終えた矢沢は、行きつけの店へ。
「日本酒を気づいたら4杯ぐらいストレートで飲んでて。当然帰れず、電話かけて嫁さんが助けに来てくれたけどね。あれは今でも忘れない、最高の酒だったよ」
水原一平の6億8000万の約3倍、21億2000万円を横領したのが新庄の叔父さん。35億円横領したのが矢沢永吉の経理部長。
— Z李 🇺🇦 NO WAR 🕊 (@ShinjukuSokai) 2024年3月31日
企業だとソニー生命168億円、楽天モバイル300億円の横領もあり、一平は横領界隈だとそこまで強くない。ドラクエ3ならバラモスくらいの感じ。
―――メールのアンチにしっかり言う事返す矢沢
また、矢沢は下記の心無い意見メールについても、安直に謝罪メールを返答するのではなく、しっかり言うべきことを代弁するかのように返している。「人の揚げ足ばかり取ってて楽しいですか?」は皆が心に抱えている言いたくても言わずに飲み込んだ唾である。
ちなみに台風と被ってしまったEIKICHI YAZAWA SPECIAL LIVE『THE STAR IN HIBIYA 2019』は結果中止となってしまったが、ライブのリハーサル映像を当選者限定で配信する対応となった。また改めて日比谷でのライブが復活することを願いたい。
矢沢永吉
— トラバス (@TRAVELINGBUS830) 2019年10月12日
メールをくれた君へ。
『人の揚げ足ばかり取ってて楽しいですか?
僕たちがどれだけ、この43年ぶりの日比谷を成功させたかったか…
招待に当選されたファンの皆さんに喜んでもらいたかったか君にわかりますか?
どの立場の人も、その人その人で頑張ってんだよ!』https://t.co/eN95OlKu4Q pic.twitter.com/6Y281gH9nK
またファン同士で争いが起こらないように私設応援団なる存在の防止(コールの強要・煽り、旗振りなどの威圧行為)を計らい、出入り禁止の措置を取ったようだ。アイドルの運営もこういう措置ってしっかりと対応しているのだろうか?
矢沢永吉、迷惑ファンを「出入り禁止」にhttps://t.co/SY2FYKySWr
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) 2019年1月24日
「誰でも来場しやすいコンサート」を目指し、周囲の人に威圧感を与える行為などを禁止していたが、ルールを守らなかった私設応援団の総会長に対し、コンサートへの出禁とファンクラブ強制脱会の措置を取ったと報告。#矢沢永吉 pic.twitter.com/ysqRccj7zI
キャロル
1972年にデビューして1975年に解散したバンド。解散はメンバーと矢沢の温度感、志向性の違いもあるだろうが、マンネリ化していたことが原因のようだ。当時すでにフォークが台頭してきて吉田拓郎や井上陽水が活躍していた時代、ビートルズが解散した1970年以降に、ロックンロールをやっていたバンドで象徴的なものはやはりキャロルだろう。
革ジャンにリーゼントというスタイルも今となってはロックンロール的なイメージだが、当時は矢沢もビートルズのようなマッシュルームヘアだったというのが興味深い。
■キャロル『ルイジアンナ』
表題曲はやっぱり名曲。というかグループ・サウンズっぽくはあるが、エレキも相まって洋楽みたいな雰囲気。ビートルズさながらの「ヘイ・タクシー」も良い。
■キャロル『ファンキーモンキーベイビー』
やっぱキャロルと言ったら表題曲の「ファンキーモンキーベイビー」。洋楽カバーが多かった前回と比べるとオリジナル曲多めで、サウンドも初期の大瀧詠一のような雰囲気。
■キャロル『キャロル・ファースト』
最初と最後にある「CAROL」は暗いブルース的な雰囲気で、開幕これかよって感じでインパクトが強い(その後の次曲「ヘイ・ママ・ロックン・ロール」が明るめのロックンロールなのでギャップが強い)。普通のフォークソングのような「夢の中だけ」にボサノヴァのような「甘い日々」のように、バリエーションが増えた感じがする。
ライブ盤
■キャロル『ライヴ・イン・リブ・ヤング』
冒頭から黄色い歓声が飛び交っていて人気度が伺える。「ヘイ・タクシー」のハモリの部分とか聴いていて気持ち良いし、2分足らずで終わってしまう「ファンキー・モンキー・ベイビー」もスピード感があって盛り上がる。全体的に緩急があって盛り上がる曲とバラード系の曲のバランスが良い。
矢沢永吉
永ちゃんの歌声は吠声に近い。どんなバラードであろうと心に汗をかいて歌う歌声は渋くて、その場の空気まで感じるほどの臨場感がある。矢沢の曲は誰が模倣して歌ってみてもしっくりこないだろう。感覚的にロックンロールを感じるし、洋楽のようにも聴こえる歌とトラック、サウンド含めて矢沢だから成り立っている感じがある。その歌声によって、体はクールダウンし、冷めた心はアツくなる。
矢沢永吉はアーティストの音楽の権利を主張し、守ったことの功績も大きい。ちなみに、E.YAZAWAのロゴについても商標登録がされている(第1601017号ほか)(R)。
時は遡り、キャロルが解散した直後、アメリカでのレコーティングを計画していたのとは別に、矢沢には“もう一つのプラン”があった。 それは、矢沢が作る楽曲の著作権・自身の肖像権に関してはっきりさせることだった。 当時の音楽業界はアーティストが自分の作品の権利を主張するなど言語道断。レコード会社や音楽出版社が権利を掌握し、CDの売り上げなどはミュージシャンの懐にほとんど届かないようになっていた。 この情勢を打破するべく、矢沢は自らの音楽出版社を立ち上げる。 そこでは音楽著作権だけではなく、グッズの販売なども管理する。それ相応のリスクは伴うものの、アーティスト自らが音楽ビジネスを展開できる仕組みを新しく作ったのだった。 ビートルズが設立した会社『アップル・コア』にならって進めたこの計画が、矢沢の音楽人生を大きく躍進させることとなる。
またユニバーサルミュージック契約終了後、矢沢は2009年からはGARURU RECORDSを設立し、音楽制作や流通も自身で行うようになった。
■矢沢永吉『I LOVE YOU,OK』
「セクシー・キャット」からロックではなくバラード。フォークっぽい「安物の時計」も良い。表題曲は矢沢がキャロル結成以前のバイト時代の時に書いた曲で、バンドではなく自分の曲としていつか出す候補だった作品。曲はスローバラードだが歌い方は矢沢でブルースのような雰囲気。
■矢沢永吉『A DAY』
CMにもタイアップされた「トラベリン・バス」は軽快さが心地良いし、スローバラードな「親友」もビートルズの「Yesterday」のような雰囲気。哀愁漂う「六月の雨の朝」もGood。
■矢沢永吉『ドアを開けろ』
シンプルな伴奏がリゾートでくつろいでいるみたいな感じで最高な「燃えるサンセット」。70年代後期っぽい最高なロック「黒く塗りつぶせ」。「チャイナタウン」も名曲バラード。
■矢沢永吉『ゴールドラッシュ』
スティービーワンダーさながらのディスコ/ソウルなサウンド。スピード感のある「鎖を引きちぎれ」はイントロから最高確定。「さめた肌」はストリングスも相まって古い洋画の挿入歌さながら。「時間よ止まれ」はオリジナルを聴いてみると意外とバラードってよりフォークっぽい。「ガラスの街」も最高。
―――資生堂側が考えた「時間よ止まれ」のキャッチコピー
当時珍しくロックシンガーとタイアップして作成されたCMソング「時間よ止まれ」。ツアーの合間を縫って楽曲のイメージを膨らまし、ヘッドアレンジで制作された。レコーディングには当時YMO結成前の坂本龍一、高橋幸宏が参加していたようだ。
後年のインタビューで矢沢は、ツアー中の楽屋でツアーメンバーの前でギター1本で短時間で作ったメロディだったと語っている。
今から20年前、矢沢最大のヒット曲「時間よ止まれ」のアレンジを手掛けた坂本龍一(70)にインタビューした時。余談で矢沢の話になり、当時のレコーディングの思い出を「自分の勘で浮かんだものをあの独特の言葉で求めてくるから、正直どうしてほしいのか分からなくて。何度もあーだこーだと大変でした。でも自分の勘だけであの一曲作っちゃうんだから、まあ凄いですよ」と語っていた。
■矢沢永吉『KAVACH』
「狂った一日」こと「レイニー・ウェイ」は渋くて絵になる映画のワンシーンみたいな名曲。ラストの「So Long」は50〜60年代のジャズ歌謡のような静けさで矢沢の声が映える。
■矢沢永吉『RISING SUN』
「YOU」から最高にキラーチューン。落ち着いた雰囲気で惹き込まれる「YOKOHAMA FOGGY NIGHT」は 西岡恭蔵作詞。
■矢沢永吉『P.M.9』
海外レコーディングかつ全編矢沢作曲。82年作だが、サウンドがもう80年チックな音で最高。「NO NO NO」とかカッコ良い。「YES MY LOVE」は名バラードだが、間奏の口笛がまた良い味を出している。
■矢沢永吉『E'』
デジタルなシンセベースに明らか打ち込みのドラム隊の「LONG DISTANCE CALL」もニューエイジ的だし、次曲の「BALL AND CHAIN」も繰り返されるコーラスが癖になる。スタジオに紛れ込んだ犬の鳴き声がレコーディングされてしまった「GOOD LUCK!!」も最高。
■矢沢永吉『YOKOHAMA二十才まえ』
シンセメインのニューウェーブ色強めの作風。ケニー・ロギンスのようなF1レースっぽい「TAKE IT TIME」にクラフトワークっぽいイントロの表題曲。「There Must Be an Angel (Playing With My Heart)」のような「Morning Rain」。中毒性のある「苦い雨」に「逃避行」。
■矢沢永吉『東京ナイト』
シンセを多用したニューウェーブ、ビートロック的な雰囲気。「傘」のシンセ・リフがカッコ良い。「止まらないHa~Ha」は今でもいろんなところで耳にする名曲で最高に盛り上がる。
☟表題曲「東京ナイト」のMVは永ちゃんがサラリーマンの格好してるが、やはりカッコ良いし様になっている。
■矢沢永吉『共犯者』
表題曲はエネルギッシュかつクールな、映画の主題歌のような雰囲気。イントロのメロディーで惹き込まれる 「ニューグランドホテル」はサウンドが艶やかでゴージャス。洋楽さながらの雰囲気の「Risky Love」もカッコ良い。
■矢沢永吉『情事』
平成元年89年にリリースされた本作は、表題の"情事"というワードが出てくる「SOMEBODY'S NIGHT」からやはりキャッチーで、永ちゃんって感じのサウンド。バラードの「太陽の領域(テリトリー)」はホーンの音が入ってジョージ・マイケル「ケアレスウィスパー」のよう。「早冬(ふゆ)の気配」は短調のメロディーがどこかドラマチック。
■矢沢永吉『永吉』
「"カサノバ"と囁いて」からパワフルな歌唱で最高の盛り上がり。ダブサウンドのよう「悪戯な眼」も良い。バーで流れてたらオシャレな「CITY LIGHT」はエレピが映えるブルースのような雰囲気。クールダウンの「奴に…」も哀愁漂う雰囲気。
■矢沢永吉『Don't Wanna Stop』
「ラスト・シーン」はやはり主題歌のようなキラーチューンでドラマ『刑事貴族2』のエンディングだった模様。これまた『刑事貴族2』の挿入歌である「LONELY WARRIOR」も永ちゃんっぽいソウルフルな歌声を堪能できる。「夢の彼方」は熱いバラード。
■矢沢永吉『Anytime Woman』
アルバムタイトルからして女性にまつわる楽曲が多い。「切り札を探せ」は疾走感があって「ホテル・マムーニア」はゆったりとチルなソウル。「優しいコヨーテ」最高。
■矢沢永吉『HEART』
刑事ドラマの歌謡曲チックな「涙が…涙が」から良い。「もう戻れない」も熱い恋愛系歌謡曲バラードで艶っぽいサウンド。重ねて「東京」もムーディだと思ったらどうやら2曲は安全地帯やCHAGE and ASKAの作詞家・松井五郎氏の作詞。面白いロック「Rambling Rose」の後は癒し系バラード「黄昏に捨てて」。
■矢沢永吉『the Name Is...』
奥に映る江角マキコが印象的なジャケット。前作同様、艶っぽい「紅い爪」は松井五郎作詞。結構名曲だと思う「アリよさらば」もカッコ良いサウンドで矢沢のシャウトが聴ける。
■矢沢永吉『この夜のどこかで』
表題曲から寝る前に聴きたい安眠バラード。全体通してバラードな落ち着いた印象。「青空」とか爽やかで清々しい。ロック調の「おまえだけはほっとけない」も良い。
■矢沢永吉『MARIA』
全体的に黄昏時に聴きたいバラード多め。ラテン的なフラメンコギターが映える「危ない天使」。「エンドレス・サマー」は夏の日の夕暮れに聴きたいチルなバラード。続く「Child of love」も「都会の風よ」も、ラストの「WILD HEART」も疲れた体に染み渡る素晴らしい楽曲。
■矢沢永吉『YES』
バラード中心だった90年代だが、ここに来てロックが多い。コンピュータ・プログラミングを矢沢自ら手掛けている。「しなやかな獣たち」は80年代の矢沢のロック感があるし「DANCIN' CRAZY」は洋楽っぽいR&B感でバックストリート・ボーイズっぽい
。シャウトの効いた「ピリオド」「Monkey Game」とかカッコ良い。
■矢沢永吉『LOTTA GOOD TIME』
演歌さながらのバラード「フォーチュン・テイラー」に、ニュージャックスウィングのリズム感の「バーチャル・リアリティー・ドール」もGood。
■矢沢永吉『STOP YOUR STEP』
全体的にディスコ・ロック的作風。「ラヴ・ファイター」の四つ打ちとか心地良い。「愛の痛み」とか808のドラムマシンの音が映えるハウス。リズム感がある「ロンサムシティ」も良い。
■矢沢永吉『YOU,TOO COOL』
全体的にロック全開で、矢沢を地で行くスタイルの熱いエール的ソングが多い。「雨に打たれて」から疾走感のあるロック。一転して「パセオラの風が」は哀愁漂うバラード。結構マイルストーン的な感じ。
■矢沢永吉『横顔』
借金完済後の04年リリース作。全体的に肩の荷が下りたような雰囲気で、原点回帰のような印象。「年甲斐ない 関係ない 限界なんてない」はもう矢沢そのもの。 「Oh Yeah」「灯台」はリラックスできる。「ドクター!ドクター!」も最高。
■矢沢永吉『ONLY ONE』
ジャケもサウンドも普通のJ-POP的なロックと謙遜無い雰囲気。「パンチドランカー」では矢沢のリズミカルなスキャットがどこか面白く癖になる。「真昼」は渋くて昼ドラのような哀愁がある。
■矢沢永吉『ROCK'N'ROLL』
疾走感のある「コバルトの空」。「小悪魔ハニービー」とかロックンロールって感じでプレスリーっぽい。ゲーム『龍が如く3』の挿入歌「Loser」はリズミカルで80年代の永ちゃんぽい。啓蒙的な「オイ、そこのFriend」もカッコ良い。
■矢沢永吉『TWIST』
全体的に緩い雰囲気で明るい。もう奥田民生とかのサウンドに近い、遊んだ感じの作風。爽快な「闇を抜けて」の後の「古いカレンダー」は和田アキ子のようなブルース的歌謡曲。「「マブ」」とか明るいフォークロック的作風で真心ブラザーズっぽい。
■矢沢永吉『Last Song』
全体的にアコースティックなアルバムで、矢沢がラストソングと銘打っても後悔しないと言った作品。大人な渋い雰囲気のロック。「IT'S UP TO YOU!」からギターの鳴りが良い。「吠えろこの街に」のグルーヴ感とか良い。
■矢沢永吉『いつか、その日が来る日まで…』
前作から約7年越しの本作。前作同様、音の鳴りが最高。アコースティックな前作に対してシンセが前面に出た作風。「今を生きて」からミドルテンポでほぼ演歌のような渋さと人生を感じる。「魅せてくれ」は矢沢永吉って感じでロックしている。「ヨコハマ Uō・Uō・Uō」、「ラヴ・イン・ユー」も良い。スピード感のある「稲妻」とか80年代の矢沢っぽい。
YAZAWA
海外発売より以前から、海外レコーディングを行っていた矢沢(ソロ1stのレコーディングはロサンゼルスでトム・マックのプロデュース)。
そんな矢沢はマネージャーなどの関係者を連れずに海外のレコーディングに単独で特攻するそうだ。
米国進出した81年。最初に住んだのはロスのダウンタウン、オークウッド。400ドルの安アパートを借りて自炊してコインランドリーで洗濯してと“武者修行”の形から入ったあたりは、自己暗示で反骨精神をけしかけていく矢沢ならでは。
全米デビュー作「YAZAWA」をレコーディングしたスタジオはハリウッドの「サンセット・サウンド」。レッド・ツェッペリンやローリング・ストーンズなども使った名門。初めて会った本場の凄腕ミュージシャンたちに度肝を抜かれながら、全編英語のアルバムを録音するのに「1曲8時間かかった」という。その苦労はもちろんだが、ほとんど英語がしゃべれないのに物おじせずに「自分の欲しい音」を身ぶり手ぶりで伝え、最後まで粘りに粘って作り上げる、その不屈の情熱と胆力には圧倒される。
また、矢沢はエルヴィス・プレスリーの没後20周年記念LIVEに唯一のアジア人としてキャスティングされたことがある。
いまから22年前、ロンドンで開かれたエルヴィス・プレスリー没後20年記念ロックフェスに、日本人の矢沢永吉が乗り込んだ。当時47歳。圧倒的なパフォーマンスで8万人の観客を熱狂させた。
チャカ・カーン、ボン・ジョヴィらビッグな共演者は、リハで顔を合わせるまで誰も矢沢を知らなかった。客もほぼ全員が「誰?」「バイクのメーカー?」という完全アウェー状態だった。
ロッド・スチュワートは永ちゃんが登場するまで露骨にシカトしていたが、永ちゃんが「Don’t Be Cruel」をビシッと決めるや、ステージ上ですり寄ってきて、「君、すごいね。今度一緒にツアーやろうよ!」と大興奮だった。
☟その模様は矢沢永吉の公式YouTubeチャンネルでアップロードされている。
■矢沢永吉『YAZAWA』
ロサンゼルスに渡米して作った海外発売一作。全編英詞でプロデューサーにリトル・フィートのポール・バレアらが携わっている。オリジナルではあるが、ロイ・オービソンと比べキザな「Pretty Woman」が永ちゃんっぽい。ホラー・コメディ映画の主題歌のような「THE RIDE」とかも良い。ラストの「KOKORO」は珍しくインストでベンチャーズっぽい。
■矢沢永吉『YAZAWA It's Just Rock'n Roll』
海外第2弾。半数以上が矢沢以外の作詞作曲。こうやって聴いてみるとカルチャークラブやハワード・ジョーンズみたいなサウンド。カントリーロック的な感じで「HARD TO TAKE」とか良い。「YES MY LOVE」のメロディで全く別の英詞「WHY DID YOU EVER GO」も良い。
■矢沢永吉『FLASH IN JAPAN』
日米伊合作映画『グッバイ・ヒーロー』挿入歌の「SOMETHING REAL」は80年代のアクション映画っぽい雰囲気。元々洋楽っぽいグルーヴ感があったが英詞版「TOKYO NIGHTS」も良い。「止まらないHa〜Ha」を「HURRICANE」って題したセンス最高に言い得て妙。
セルフカバー
■矢沢永吉『TEN YEARS AGO』
10年前を最後に解散したキャロルの楽曲をセルフカバーした作品。シンセや打ち込みでニューウェーブ以降のカントリーロックみたいな雰囲気に仕上がっている。テクノポップみたいな「レディ・セブンティーン」とか面白い。
■矢沢永吉『SUBWAY EXPRESS』
70年代にリリースした作品を中心にカバーしている。大幅なアレンジは無く、全体的に聴きやすくなっている。「ガラスの街」「世話がやけるぜ」もこうやって改めて聴くとカッコ良さを再認識する。1stの1番最初の曲をトリに持ってくるのが粋。
■矢沢永吉『SUBWAY EXPRESS 2』
ほぼ弾き語りの状態から始まる「時間よ止まれ」はシンプルでゆったりとしたアレンジ。「夏のフォトグラフ」はボサノヴァのようなオシャレさになっていてカフェで流れてそうなアレンジ。
ライブ
矢沢はビジネスマンとしての側面もあり、ライブ物販で売れ残りの黒のタオルがあれば、それを身に着けてライブパフォーマンスをすることで購買促進するといったエピソードが囁かれている。
「ライブで観客を魅了できるアーティストは生き残れる」と言います。 理由は「音源はダウンロードできても、ライブの熱気はコンピューターからは伝わらないから」
矢沢って、まったく見劣りしない。年を重ねてありのままの姿を見せる大御所もいるが、矢沢はずっと一貫している。
でも、冷静に考えてみてほしい。73歳といえば、あと2年で「後期高齢者」である。あなたの身近にいる同い年の人って、けっこうヨボヨボしてませんか? その高齢アーティストが、新国立競技場でのライヴを終えた後、今度は全国ホール&アリーナツアーを発表。しかも11月11日から12月20日までの40日間で、北海道から福岡までほとんど間を開けずに全国各地を廻り、全17公演をこなすというハードな日程だ。おまけにツアーファイナルは、日本武道館4Days。もうバケモノである。だが矢沢は、よくこう言っている。
「ロックにゴールはない。声が出るまでやり続ける。だって、ストーンズが前走ってるもん」
…… 80歳手前でワールドツアーに出ているミックとキースもどうかしているが、単独で全国ツアーをこなしている矢沢も相当どうかしている。
また、下記のエピソードも良い。矢沢のために動いたスタッフの意向に感激した矢沢の一言である。この一言で何とか頑張っていけそうな気がする。
ライブの後には必ずシャワーを浴びる矢沢永吉
— マチェンコ (@take09214) 2024年9月12日
ある時体育館でライブを行った際、その会場にはシャワーなかった。
困った若手のスタッフは子供用のビニールプールに水を張って控え室に置いておいた。
控え室に戻った矢沢永吉はそれを見て「これ、用意したの誰?」と聞いた。… pic.twitter.com/lcTkURgjkS
■矢沢永吉『LIVE DECADE 1990〜1999』
ボリューミーに2時間半程ある90〜99年までのライブアクトのベストバウト的作品。「黒く塗りつぶせ」のアレンジや崩した歌い方がカッコ良い。「止まらないHa〜Ha」は途中バイクの音が聴こえてきて少し驚く。キャロルの「ファンキーモンキーベイビー」もある。トリが「アイ・ラヴ・ユー, OK」なのも良い。
アルバム未収録集
■矢沢永吉『アルバム未収録集』
ここに来て初期作品の「ひき潮」をアルバム収録。「Last Christmas Eve」もキャロル結成以前の楽曲で、ICレコーダーも無い時代に電車の中で口ずさみながら帰宅したというエピソードがある。ヴァンパイアハンターのゲーム&アニメ(日米両方)のエンディングテーマ「THE Trouble Man」もろ洋楽みたいな感じ(リリース1997年くらいだろうが80年代っぽい感じはする)。「終わりじゃないぜ」も癖になる。
〈補足〉
矢沢と言ったら下記記事に記載した「もしも矢沢永吉が桃太郎を朗読したら」が本人にも話が伝わって賞賛されたというエピソードがあるようだ。
ここで加えて、下記の矢沢を題材にしたネタコピペを投下して本まとめを締め括ることとする。
26 :名無しさん@恐縮です@\(^o^)/:2014/05/13(火) 19:38:13.24 ID:uvnbAIO10.net
どうも、矢沢です。昔、キャロルで矢沢が日比谷でワオワオやってたころにさ、
あの、なんていうのスライム?それが流行ってたわけ。
楽屋でさジョニーなんかとスライム欲しいよね、つってたらボーヤが気を利かせて
「買ってきましょうか」っていうわけ。
「おおサンキュ」つって買いにいかせたら街中売り切れだったみたいでさ
「すいません、コンニャクで代わりで」ってそいつ、こんにゃく買ってきたわけよ。
しょうがないから代わりにこれで遊ぶかあ、と思ってさ、
オレやジョニーでこんにゃく顔に乗っけたり、ぶつけ合ったりしてね遊んでたんだ。そしたらさ。ムッシュっていうの?かまやつがバーンと楽屋入ってきてさ
「おまえら何してんの?」。オレ「いやあ、かまやつさんコレだよ噂のスライム!」。
オレ、まだ駆け出しだったし、向こうはもうビッグネームでしょ?「はあ?」みたいな感じ。
「おまえ、矢沢、これはこんにゃくだろ?」って。ちぎって床に捨てた。
オレはそれを黙ってみてたね。しばくしてムッシュが帰ってさ。
そしたららジョニーがそのちぎられたこんにゃく持って震えてんのよ。
「エーちゃん、これ弁償モンだよ!」って。「こんにゃく弁償してもらうべ!」ってさあ。
それ聞いてオレ、今度はこっちからムッシュの楽屋行ったわけ。
「あのさっきのこんにゃくだけど、絶対そのうち弁償してもらいますんで」。バッキリいってきた。それから、1週間くらい後かな、モノホンのスライムが届いたよ。ムッシュから。
そのとき思ったね。「ああ、これがスーパースターのやることだな」って。
その日のステージはスライムでリーゼントにしたよ。
途中で汗すって粘液になってたーらたーらいと引いて落ちてくんのよ。
たまたま来日してたH.R.ギーガーがそれ見てエイリアン思いついたんだって。
これマジよ。エイリアンのあの頭、矢沢のリーゼントの形なんだって。へえ、と思ったね。
以上。