日本のニューエイジ、アンビエントを体系的に掲載したリストのRate Your Music版を公開しました。現時点で、全450枚以上の音盤を掲載。New Age本に載せていない作品も多数。ほぼ全てにジャンル名や音源リンクも記してあります。国産アンビエントの入門にぜひ。https://t.co/EYeDUKk3wE
— 夏猫街まろん 7/20 #アト6出演 (@telepath_yukari) 2023年6月27日
1.Shuma Yamakaji『Nodate DX』
ずっと電子の濁流に飲み込まれているようなノイズが続く1曲目と濁流が収まった電子の川を漂うような2曲目で構成。
10年ぶりのアルバム作品。アンビエント的なポストロック。レインボーフラッグが燃えているジャケ。暗い感じもするし反抗的な感じもある。コップの水に垂らした黒インクのように、滲んで広がって消えていくような儚さがある。
シガー・ロスが虹色の旗を燃やすジャケにしたことにどこまで政治的な含意があるのかはわからないが、パッケージ全体で燃えていくプロセスを見せる作りになってるみたいなので、わりと元のアート作品の意図に近い、自然のプロセスの儚さや美しかみたいなことは頭にあったのかなとか pic.twitter.com/KEY14WMEy8
— ꇙꄲꇙꋬ꒐꒯ꀘꋬꌦ (@sosaidkay) 2023年6月16日
3.Koshiro Hino『Geist II』
夏の夜の河川敷のような虫や鳥の声のフィールドレコーディングから、神隠しに合う寸前のような電子音が忍び寄ってくる。映画『ソナチネ』のサントラがもう1つあったとすれば多分これ。
4.OSCILATION CIRCUIT『OSCILATION CIRCUIT SERIE REFLEXION 1 』
磯田健一郎と廣橋浩によるユニット。ミニマルな環境音楽。民謡や子守歌のような揺らぎがあって、ドローンやフィールドレコーディングとは違ったメロディアスな演奏のある作風。
5.冥丁『怪談』
ビートテープ的なサンプリングと、本当にお化け屋敷で流れていてもおかしくないような、夏の涼しい夜の枯れ尾花の中を恐る恐る歩んでいくような緊張感がある。他人の語りのボイスサンプルがアクセントとなっている。
6.Tim Hecker『No Highs』
アンビエントテクノというよりは、アンビエントそのもの。シリアスな雰囲気が漂っている。鉛色の空の下、凍えるような、耳鳴りのするような静寂の中、殺風景な荒野を歩きながら聴きたい。
7.Micro Ambient Music『All Micro Ambient Music (5 disc set)』
microambientmusic.bandcamp.com
坂本が所属するニューヨーク「12K」のレーベルメイトを中心とした国内外計41人のアーティストが坂本龍一に向けて制作した全39曲の追悼作品。
国内外の計41人のアーティストによる全未発表39 曲、坂本龍一追悼盤『Micro ambient Music』https://t.co/JH0mt2567p#坂本龍一#ryuichisakamoto#skmtnews
— commmons (@commmons) 2023年7月13日
8.Burkhard Stangl『Unfinished. For William Turner, Painter.』
デレク・ベイリーのようなギターのバックで微かに聞こえる外音(フィールドレコーディング)が良い味を出している。サンセットの似合うサーフミュージック的な雰囲気。
9.Soul Whirling Somewhere『Everyone Will Eventually Leave You』
冒頭の音から物凄く濁流に飲まれたようなインパクト。ただ強引ではなく激しくはない。プログレ的な美があり、蜃気楼のような電子的な音像以外にもギターの音色のようなサウンドやボーカルがある。ジャケも美しければ素性も謎。ここまで良い意味で圧倒、音に驚かされる作品はそうそう無い。古い伝記を読んでいるかのようなノスタルジックと展開。
10.Ylia『Ame Agaru』
日本語の「雨あがる」をタイトルとした作品。スペイン出身のアーティストによるものだが、日本の和の響きや間が感じられる。電子の響きの中に自然な鳴りがあって、目を閉じればお寺の境内にいるような落ち着きを感じる。メランコリックな感情の時に自室で目をつむってこれを聴いていれば良い瞑想になりそう。ととのったー。
以上。