1.東京事変『音楽』
過去の東京事変から考えると少しギャップはあるもののアダルトなオシャレさは健在。ロックらしいバンドサウンドからR&Bやディスコのようなトラックになっているので夜感は強いが、逆に初期の椎名林檎のようなUKロックらしい感じがしないでもない。
2.Seiho『CAMP』
全体的に三越や伊勢丹1Fのコスメ系フロアで流れているようなシンプルでおしゃれなビートが良い。また鎮座Dopenessはゴリゴリのラップ物よりこういった歌モノのオシャレなトラックの方が映えるのはキリンジとのコラボでも実証済みである。このSeiho、Sugar's Campaignのメンバーと知って驚愕しているが確かに鱗片は感じられる。
3.John Cale『MERCY』
人の居ない穴蔵で歌ってるような激しいリバーブが掛かったボーカルに、シンプルなアコースティックと四つ打ちのリズムが心地良いメロウ。「NIGHT CRUISING」最高。
4.Bark Psychosis『Game Over』
「Three Girl Rhumba」。音響系のようなシューゲイザー的なギターの音色が心地よい。ジョージ・マイケル「ケアレス・ウィスパー」のようなしっとりとしたソウル感が漂うロックでトリップホップに雰囲気に近い。唐突に「Murder City」で目が醒める思いをするが、プログレ的なボーカル少なめの作風でこれまた良い。
5.RA MU『Thanks Giving』
菊池桃子率いるグループRA MUの作品。80年代後半のようなダンス・ポップという感じで、夜に空飛ぶ絨毯に乗って都会の空の上を走行しているような感覚に陥る。独特なタイトルセンスと歌唱の程よいウィスパーボイスが良い。
6.工藤礼子『夜の稲 = Rice Field Silently Riping In The Night』
70年代のようなアコギのみのシンプルでフィールド・レコーディング的なフォークにリバーブ等の掛かってない素のボーカル。夏休みに田舎に帰った時、稲穂が茂る一面大自然の田んぼで夜風を感じたい。
7.Joji『Smithereens』
Pink Guyの頃を考えるとギャップが凄いが、今の藤井風のようなオシャレさとワールドワイドな感じだ。いや、World Weirdといった感じか。ピアノの洗練された音色とトラップビートに乗せたバラードのような歌がマッチして良い。
8.Eddie Chacon『Sundown』
メロウなソウル。自宅でくつろいでる時間のような溶け具合。昼聴いても十分良い作品だし、そもそも音楽に聴かなきゃいけない時間帯は限られないが、徐々に夜が明けるように光を感じる。ラスト「The Morning Sun」はビートも増えて明るさが早朝のような感じ。
9.Snow Ghost『The Fell』
全体的にダークで闇を纏った雰囲気。Portisheadのようなトリップ・ホップだが、暗がりの森林の中で聴いていて何かが出てくるのではないかと言うようなボーカルの響きと怪しいサウンド。
吉田秋生原作コミック「吉祥天女」のサウンドトラック。あくまでイメージアルバムで実際にドラマなどで使用された音源ではなく、アニメ化もしていない。中には昔の昼ドラっぽい音や、チープなディスコ風なトラック。シティ・ポップのようなものからテリー・ライリーのようなミニマル、インダストリアル感のある実験的なものまであって面白い。
以上。