「人は正直言って助けてくれないんだから…もう人あてにしたってしょうがないんだから 自分でやるしかないんだから」
人生のすべてを凝縮したような、ザ・ノンフィクション史上の回だと思う。そのまま道徳の授業として己の中に刻み込みたい。ナレーションが実に的を得ているのが印象的だ。すでに言及してる記事は多いが改めて今見てもしみじみとする。
吉雄さんは高校の時にいじめに遭い、心に深い傷を負い、勤め先の会社も倒産していき、最終的には不況のまま無職に。夫に代わって母親のトシさんが女手一筋で働いたことでかまってあげられなかったことが心残りか。幼少期の頃の人生の重要さを改めて思い知る。
☟内閣府でも引きこもりの原因は「仕事」だそうだ。
1 : ドラグノフ(東京都):2010/07/24(土) 10:38:26.74 id:F7AFsFSv ?BRZ(10000) ポイント特典
引きこもり、就職などがきっかけ 30代からも、内閣府
内閣府は23日、仕事や学校に行かず家族以外と交流しない「引きこもり」に
関する実態調査の結果を発表した。仕事や就職がきっかけとなるケースが多く、
30代で引きこもりを始めた人も23・7%に上っており、
内閣府は「引きこもりは不登校と結び付けられがちだが、
職場での人間関係も大きな要因だ」と指摘している。調査は2月に、全国の15~39歳の男女5千人を対象に調査員が訪問する方法で実施し、
3287人から回答を得た。回答内容から「引きこもり」と認定したのは1・79%で、
全国では69・6万人に上ると推計。「自分も閉じこもりたいと思うことがある」と答えるなど、
引きこもりに一定の理解を示す「親和群」も3・99%、全国で155万人とした。引きこもりのきっかけ(複数回答)では、「職場になじめなかった」と「病気」が
それぞれ23・7%で最も多く、「就職活動がうまくいかなかった」の20・3%が続いた。
「小中高校で不登校」は11・9%、「大学になじめなかった」は6・8%にとどまった。
年齢別では、10代が33・9%、20代が38・9%だった
―――ホームレスについて
ホームレスになったという方とネットで話したことがあった。かなり若い方だったが、その年齢でなぜホームレスになったのか?。
もともと建築系の仕事だったそうだが、かなりのブラックで、いきなり地方に転勤。タコ部屋のような場所で寮生活。続く残業とその恐怖からバックれ、そのままバスで東京へ。そしてホームレスになったのだそうだ。
ここで思ったのは、なぜ実家に戻らなかったのか、生活保護の申請は、アルバイトはしないのか、といった疑問だ。
そのホームレスの方が言うには、家に戻ることもできたが、戻る気はない。生活保護は申請しようとしたがめんどくさくて諦めた。また、今働く気は全くないようだ。そういった経緯でホームレスになったようだが、一時はネカフェ難民だったが、当然資金は尽きる。暖を取れる場所に身を移し、フリーWiFiでネットの書き込みをし、なんとかその日暮らしで生活を送っているそうだ。
その方はやはり好奇の目で見られ、ネットでは見下されることも多々あるようだし、説教垂れる人もあったようだ。無気力ややる気のなさで片付けられない働くことに対するトラウマが感じられた。築城10年落城1日だ。ここで家族に泣け付ける人、アルバイトでも始めてみようと思える機転、気力が支えとなってなんとか普通の暮らしを成り立たせている人が多いのではと思う。
ホームレスの時にわかったこと
— けっさん (@1942DDD) 2017年8月16日
1.ある日突然ホームレスになることがある
2.夜のネカフェには同業者が山ほどいる
3.熟睡できないのでつねに疲れがとれずやつれる
4.ホームレス狩りはガチである。逃げたけど怖かった
5.何もかもどうでもよくなり悲観的になる
「ガード下 酔いどれ人生」では吉雄さんは亡くなってしまった。死因は不明だが、おそらくは酒だろう。ただ、この件に関して以下の記事を見つけてなんともやるせない気になった。
ホームレスに少々関わり合いのある知人に聞いた話だけど、
ホームレスを3年続けた人が就職できて規則正しい生活に戻ると、
だいたい1割前後の人が半年以内に心筋梗塞等で亡くなるらしい。
ほとんどが風呂場で。
決まった時刻に起きて寝るっていう生活は、それなりに体に負担を強いる。
一番負担なのは風呂で、湯に首まで浸かると心臓にかなり圧力がかかる。
普通の生活をずっと続けていて、それが習慣になっていれば何の問題もないんだが、
ホームレスという、就寝時間も食事も不規則な生活に慣れてしまうと
規則正しい生活に戻ったあと体に予想以上の負荷がかかるんだな。
なので、いつかはホームレスから脱したいと思うなら、3年以内になんとしても定職を探すしかない。
それが出来なかったら、そのままホームレスを続けるか死亡しない確率9割にかけて再起するか、悩みどころ。
―――人と人が支え合うと書いて
吉雄さん、トシさん、小林さんの三人はお互いに支え合った関係だっただろう。人は与えられる喜びより失う悲しみの方が大きいのだ。
動画内にもあるように、小林さんは「人に頑張れ、しっかりしろ」とエールを送ることで自分も頑張らなくてはと戒めているという場面があった。己の母親にはつっけんどんだが、人に世話を焼くことで自分も救われているということだ。小林さんも吉雄さんの死によって穴が開いてしまったのだ。よく先輩になるには後輩がいなければ上として育たないということを聞くし、後輩に教えることで改めて「自分って結構できるんだな」ということに気付けるということもよく耳にする。確かにその通りだと思う。その支え合いによってお互い成長できるのだろう。
☟自分を必要とする人を必要とする人"イネイブラー"というようだ。
イネイブラーとは「自分を必要とする人を必要とする人」です。 本書の説明を借りると、 「イネイブラーは解決すべき問題を必要とし、 依存者は問題を抱えることを必要としているわけです」44ページ
イネイブラーは、「他の人の責任を肩代わりし、 本人から成長と学習のチャンスを奪ってしまいます(中略)かえって彼らの 弱さを助長してしまいます」22ページ セルフイメージ(自己肯定感)が育っていないために、 その不安や辛さをごまかすために、 「自分を必要とする人」(依存者)に引きつけられ、必要以上に手を出して 世話をし、尽くして、自己重要感(価値感)を持とうとします。
例えば、機能不全家族の中で 不安の中でドキドキしながら育つと 相手の要求を察知し相手に尽くしてしまうイネイブラーになることがあるようです。
出典:アンジェリン ミラー「何がまちがっていたの―「愛」で支配するひと・イネイブラー」
以下のコピペはなんとなく気に入っていて保存してるが、人間心の底では誰かを見下して自我を保っているだろう。SNSでよく見かける、人を叩いて自分が正しいと主張するコメントの多くにこのようなニュアンスを含んだ。
A「Bの両親かっわいそ~ww」
C「あーもうっ。人の家庭に首突っ込む前にA自分の周り気にしなよ。そんな話し方するから人離れるんだよ。」
A「私はBの事を思って..!」
C「だったらクソニートとか言わなくない?」
B「なんか私のせいなのかな、ごめんね。でもニートじゃないよ。家賃収入あるし。」
A「家賃収入?」
B「うち、ここら辺の地主だったから..」
C「駅前の一階セブンのマンション丸ごとBのものだよ。」
A「えっ...」
Aその後顔引きつってたw
多分今までBの事見下してたんだろうな。
―――生活保護について
個人的に生活系のYoutuberの動画を見ることがよくあり、ある方は少ない給料で日々を暮らしているような人だったが、生活保護を受けるとそれだけで批判されることもあるとし、自分で十分稼いで生活できているのでとしてフリーター生活をしているようだった。下記記事がそれを物語っている。
藤田 真っ先に感じたのは「もう少し現実を知ってから発言してほしい」ということです。私は昨年秋からコロナ禍での生活困窮を支援する「新型コロナ災害緊急アクション」の同行取材を続けていますが、仕事も住まいもスマホの通信機能も、食べるものすら失ってなお、「生活保護を受けるくらいなら飢え死にしたほうがまし」と表情をこわばらせる人や、「もう少し頑張ってみます」と生活保護の申請を拒絶し、自ら路上生活を選ぶ人にたくさん出会ってきました。
コロナ禍でずたぼろになった彼らが、なぜますます自分を追い込むのか。その背景には、まさにDaiGoさんがしきりに主張していた「努力の足りない無価値な人間を税金で養ってやっている」という差別的な価値観があります。長年にわたって社会をむしばんできた歪んだ自己責任論とスティグマ(社会的恥辱感)。そうした現実が、ついにここまで醜悪な形で露呈したかと痛感させられた一件でした。
上記記事では先ほど述べた、ホームレスの方と話したときの内容と同じような現状が起こっていることが伺える。
炊き出しをしていると、ホームレスと生活保護受給者の間に争いがあることに気付かされる。ホームレスは生活保護受給者を「不自由な連中。ホームレスを装って炊き出しにきている」と批判し、生活保護受給者はホームレスを「路上生活にまで落ちたくはない」と批判する。現場に出て初めて分かることは多い
— 草下シンヤ/作家&編集者 (@kusakashinya) 2021年8月15日
4丁目の夕日という胸糞悪い漫画を彷彿させる。とことん救いようがなく、一つが崩れてそこから全体的に崩落していく様が描かれている。結局、生まれや育ちに人生は準拠してしまうものなのか。胸糞悪いが、まるで火垂るの墓のようで、見たくはないし読みたくもないが記憶には残っているし、一度は見るべきだという感が凄い。
以上。