1.WLADIMIR SCHALL『ウルソネート (Urusonēto)』
完全にノンミュージック。こんなものが音楽作品として流れて良いのかと言う印象。X(Twitter)で度々バズるAIに朗読させてみた系をそのまま作品にした感じで、メロディも抑揚もない。虚無の気分の時に流す音楽がどれもしっくりこない時に良い。詩が変でAI朗読の無機質感と相まって笑いそうになる。
ボカロ、合成音声音楽好き必聴の異常音源。1922年から1932年にかけて、ダダイストのクルト・シュヴィッタースによって作曲された音声詩をGoogle翻訳の日本語音声に朗読させたという代物。ノイズ系音響詩名門こと仏erratumからの出版で、アナログも出ている。https://t.co/b0g3FelWdR pic.twitter.com/OSPS8YM3Qq
— 猫夏黄昏交差点 (@telepath_yukari) 2023年7月22日
2.Radian『Distorted Rooms』
生っぽいドラムにエレクトロニックなフレーズ。ラジオノイズ的サンプリングに、ちょっとした隠し味のようなギター。「Skyskryp12」とかグリッチのような、マイクロウェーブ的な感じで聴ける。
3.Tatamax『Fairy Glen Appearances』
IDMとかグリッチ系だが1曲が15分弱ある。ドローンやノイズみたいな感じで捉えて良さそう。
4.John Cage『John Cage Shock Vol. 2』
前半の喧嘩みたいなピアノの打撃はカールハインツ・シュトックハウゼンの作品。後半はピアノの打撃と沈黙にオノ・ヨーコのスキャットをアクセントで添えている作品。心穏やかではいられない作品。
5.I-I Uchihashi Kazuhisa, Yamamoto Tatsuhisa, Sakaguchi Mitsuhisa『I-I』
即興演奏作品。コンピュータは介在してないはずなのにコンピュータノイズ的なアクセントを感じる。おそらくシンセサイザーのSE。なんの決まりもなく始まったかと思えば、なんの脈絡もなく終わる。movementごとに雰囲気が違うので緊張感を保ったまま楽しめる。
6.David Tudor『Microphone』
マイクのフィードバッグ音声を用いたエレクトロニック作品。ほぼノイズでメロディはないが、嵐の窓の外の音を録音してデジタル的、エレクトリックな表現をしたらこんな感じになるのではと言う感じの音がずっとなっている。インスタレーション的に垂れ流しておくだけで空間が芸術になる感じがする。
7.Jean-Claude Eloy『Gaku-No-Michi』
日本語で日本に関連した雰囲気がするミュージック・コンクレート作品。ノイズミュージックの元祖のようなドローンのようなコンピュータノイズが、土曜の午後から団地の窓から眺める鉛色の空のような緊張感と静寂を表現しているように思える。途中から聞こえてくる金属音も『鉄男』みたいでカッコ良い。
8.The Nightcrawlers『The Biophonic Boombox Recordings』
thenightcrawlerspa.bandcamp.com
全体的にシンプルな80年代インダストリアル的ミニマル環境音楽って感じ。「Geistesblitz」普通に途中で咳き込む声聴こえてビビる。「Crystal LoopⅢ」のミニマルなメロディが最高。
9.Stockhausen, Arditti String Quartet『Helikopter-Quartett』
ヘリのプロペラが鳴る中、人の声がスキャットがアクセントとして入る。バリオリンの音色がプロペラ音に呼応するかのように終始鳴り響く。朝聴きたい。
10.Rik Rue『Sound Escapes』
インダストリアルなサウンドコラージュ作品。NURSE WITH WOUNDや暴力温泉芸者のような雰囲気。暴力温泉芸者がリリースを行っていたノイズ系レーベルRRRecordsからの91年作。夕方ごろ聴き始めると何か怪異が起こりそうな雰囲気。
以上。