アンビエントを聴く時間帯って基本的に日中のイメージがあるが、なぜか昼過ぎの灰色の曇り空の時に、ぼんやり目的もなく買い物で移動する道中だったり、帰ってきてからの家やそこでゴロゴロしている虚無の時間に聴きたくなるようなものが多いイメージ。昼過ぎから夕方にかけての時間が一番アンビエントを楽しめる時間だと思う。会社や学校を休んだ日、家で安静にしてる病床で聴きたくなるサウンドが多い。
1.Uboa『The Sky May Be』
ダークアンビエント的なブラックメタルにも感じる。「Standards of Living」からその感じをふつふつ感じていたが、シャウトとノイズで開幕する「Thigh High Cat Tights」で虚を突かれる。これは完全にメタル。ただ以降はまたダークアンビエントに回帰する。
2.Lisa Lerkenfeldt『Shell Of A City』
完全なるドローンでありフィールドレコーディング。完全に抜け出せない迷宮の中に取り残されたような絶望と不穏さが立ち込んでいる作品。
3.Ki Oni『Stay Indoors And Swim』
教材ビデオのVHSで流れてそうな、水底で眠っているような雰囲気のサウンド。
4.Continuity『Continuity』
博物館(特に日本科学未来館のような自然・化学系)で流れてそうな、細かいSEがアクセントとなっているアンビエント。
5.Fennesz『Venice』
全体的に、ジャケのように海に浮かんで空を眺めながら聴きたいサーフっぽいギターを効かしたアンビエント。
6.Alessandro Cortini『Emosfere』
アンビエントと言うよりもドローンに近い。ノイズミュージックにも近い、無調なノイズ垂れ流しの「Terza Emosfere」にBurzumのようなブラックメタル・アンビエントの「Quinta Emosfere」。空が灰色の午後か夜に聴くと良い。NINのキーボード、ギター、ベース奏者。
7.Muslimgauze『Mullah Said』
全体的にダークで宗教的な感じもするカルト的アンビエント。イスラムっぽい言語の人の声がしていて、シタールっぽい音や金属音、パーカッションの音が入り混じってメロディのないドローンに色付けされている。これもまた夕方の空が暗く不穏な空気になった時間帯に聴きたい。
8.Perila『On The Corner Of The Day』
小学生が下校を始める時刻に聴きたい。窓の外から子供が話しながら歩いている声を聴きながら表題曲を聴き始め、静かになったあたりで「Elastic Stitches Gracefully In Making」を聴いて音に集中し、そのまま眠ってたら終わってたみたいな感じが理想。
9.Anja Lauvdal『Farewell To Faraway Friends (Wurlitzer Improvisations 2021-23)』
ギターの音色が美しい即興演奏アンビエント。響きだけで十分。整体に行った時にこれが流れていたら安心するサウンド。ひっそりとしていて温かい。
10.fendoap『Everlasting Daisy』
初代プレステの実験的ゲームの効果音っぽい雰囲気。メロディもなく、鹿威しのように流れがやむことなく鳴り続けているが、細かく変化があったり、先の展開が読めない。美しいMerzbowのようなサウンド。
fendoap『Everlasting Daisy』DIYキットで作ったノイズトースターのサウンドをリアルタイムでAbleton Live上のFXで加工した即興集ということだけど、サウンドは最近のダブ×アンビエント的にも聴ける。ところによってはSNDがアンビエントに突き進んだみたいに聴こえたりも。https://t.co/qzsR5dKDA1
— よろすず (@yorosz) 2024年1月20日
以上。