Patchwork Dream

随時、記事の加筆・修正または再掲載します。

おめえのグレートフルデイズも今日までそして明日から

Drogon Ashについては下記のTOMC氏の記事などが多く参考文献となっている。Dragon Ashの変遷についてわかりやすく書かれていて面白いので読んで欲しい。

www.cyzo.com

sandscultures.com

当方Dragon Ashを知る以前はスチャダラパーを少し聞きかじり、m-floにハマった後にSOUL'd OUTを聴き、RIP SLYMEを聞きかじったりした。m-floはEDM化してからは聴くことが無くなってしまったが、LovesシリーズではDragon Ashともフィーチャリングした「WAY U MOVE」(『ASTROMANTIC』は名盤)や、Mondo Grossoとの「SHININ'」など、アンビエント的音響系やラテン系の毛色は若干コラボ曲で感じることが出来た。ゴリゴリのヒップホップ期は掘り進めていくことで後出しで聴いてハマった口である。

drag on ash(だらだらしてると灰になる)が由来であるとか。

―――2000年以降のミクスチャー・ロックムーヴメント

RIZE『ROOKEY』

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2000年初頭のジャパニーズミクスチャーは最高。ラストのデビューシングル「カミナリ」のイントロのディストーションが強いベースと畳み掛けるドラムが最高。

山嵐『極上音楽集』

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山嵐」からツインラップが最高。フライング気味な炸裂するフローに圧倒される。聴く前に跳んでいる。KORNにインスピレーションを受けたようで、ラップメタルのような雰囲気が強い。早口言葉のような「パカパカ」とかトランスしてくる。

スケボーキングSBK)『KILLING FIELD』

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普通にエレクトロニックな「Calm Down Dear」はチル系トラック。「TOKIO LV」では「ラブストーリーは突然に」をサンプリングしてる感じで、サビのラップが心地良い。

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―――10年ぶり、2020年から再始動したSBK

natalie.mu

下記は2008年にリリースされたKjとのフィーチャリング『EPISODE V』。

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SBK復帰後の2022年にはDragon Ashとして再コラボしている。

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☟さらについ先月(2023年10月)最新曲ではラッパ我リヤともフィーチャリングしている。

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影響

The Smashing Pumpkins

kjがZeebraとコラボした「Grateful Days」のイントロはもろスマッシング・パンプキンズ「Today」である。当のKjもスマパン好きであるとインタビューやらで発言していた覚えがある。

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また、『HARVEST』の「Canvas」のリフでは「Tonight,Tonight」の冒頭のリフがモチーフにされている。

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Dragon Ashが下記の1stミニアルバムでデビューする。

Dragon Ash『The Day dragged on』

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全体的に激しめのハードロックと言う印象の作風で、ミクスチャーというよりメタルに近い。「天使ノロック」はスマパンの「Cherub Rock(邦題:天使のロック)」とタイトルが同じなのと若干ディストーション掛かったギターの音色が似ていて、BPMが少し早いくらい。「Realism」はラップでテンションが上がる。「羊を数えても夜は終わらない」も「FAke×Life」も青っぽくて良い。

Dragon Ash『Public Garden』

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こうしてミニアルバム2作を聴くと、初期の作品はダイレクトなロック的な歌詞に、ファルセットでの歌唱が目立つ。表題曲の「Public Garden」も爽やかな感じ。

Dragon Ash『Mustang!』

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記念すべき1stアルバム。全体的にミクスチャー感が少ないオーガニックなロック、バラードになっている。「Rainy Day And Day」は「Jellybelly」っぽく、「Sleep」は「1979」っぽく、全体的に『Mellon Collie and the Infinite Sadness』のような雰囲気がある。

AIR(車谷浩二)

AIR(車谷浩二)はソロとして活動する以前には渋谷系ユニット、Spiral Lifeとして活動していた。そのためネオアコっぽい作風であるがソロ作品はロック色が強い。

AIR『MY LIFE AS AIR

MY LIFE AS AIR

初期のDragon Ashを聴いた後に聴くとやっぱり与えた影響を感じる。「Today」や「25 YEARS OLD」、「DIVE & DIVE」なんかはほぼ「Mustang A Go Go!!!」の原曲のような雰囲気。

Dragon AshBuzz Songs

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全体的にまだミクスチャー感が少なく、歌声もハスキーながらも透き通った歌い方なのが新鮮。「Under Age's Song」はシングルMixの方が個人的には好きだが、ミクスチャー感はアルバムMixの方が高い。「Mustang A Go Go!!!」は今のDragon Ashを考えると少し珍しい雰囲気ではあり、かつAIRのような歌い方とメロディーであることに気付く。「陽はまたのぼりくりかえす」はバラード調で2ndを締めくくる名曲。

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☟2001年、AIRの方もkjから影響を受けてミクスチャー路線な作品をリリースしている。

AIR『Flying colors』

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Dragon Ashのkjとコラボしたことによって全体的にミクスチャーロックっぽくなっている。元々渋谷系ユニットのSpiral Life車谷のソロプロジェクトのため、若干渋谷系を感じられる。「夏の色を探しに」のUKロックのようなフォークソングのような雰囲気が良い。

Steady&Co.『CHAMBERS』

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kjの別プロジェクト(同バンドから他にDJのBOTS、RIP SLYMEILMARIスケボーキングのSHIGEO)Steady&Co.だが、シングルとしてリリースもされている「春夏秋冬」はAIRの「夏の色を探しに」をサンプリングしている。

ヒップホップ

Zeebra

Zeebraとkjの出会いはZeebraのアンセム的名曲「真っ昼間」のリミックスをkjが行ったことから始まる。

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Dragon Ash『I LOVE HIP HOP』

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Joan Jett & The Blackheartsの『I love Rock`n`roll』が元ネタでクレジットにもアラン・メリルの名があり、後半に『Summer Tribe』にも使われたであろうサンプリングが流れてフェードアウト。リリックは『Viva La Revolution』の「Communication」に流用される形で用いられている。馬場と桜井による「The Theme of Motor Headphone」は粗っぽいスカムのような音でパンキッシュなインストに仕上がっている。

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Dragon AshViva La Revolution

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「俺は東京生まれHIP HOP育ち 悪そうな奴は大体友達」のキラーバースが生まれたZeebraとの名曲「Grateful Days」も収録。全体的にレイヴのような、ファットボーイ・スリムやケミカルブラザーズのような雰囲気のビートが多いが、バラード感も残っていてエモい。

Dragon Ash『Summer Tribe』

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これが問題作である。確かに声パクリそしてフローパクリな感じはしてしまう。オシャレ度をアップさせた「真っ昼間」のような感じで、ムシムシする感じやダルさがこの曲ではバカンスでの程よい南風と爽快感に置き換わっているような感じがする。若干ディスりのような「やっぱコンクリート熱帯雨林 閉め切った部屋なんて絶対無理」のリリック。

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Dragon Ash『LILY OF DA VALLEY』

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Dragon Ashの中でも一二を争う作品。攻撃的なビートの「Bring It」「Aim High」はRATMやATRを彷彿とさせる。バラードからサビで一気にハードロックになる「百合の咲く場所で」。

Dragon Ash『Life goes on』

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シングルのみでアルバム未収録の名曲「Life goes on」収録。休日の朝から聴きたい感じのラップ。

アンビエント

YMO細野晴臣も散会後に発足させたFOEを辞めた後、アンビエント色の強いテクノ作品を90年代にかけてリリースしてきた。二匹目のどじょうを狙うつもりだったかは不明だが、FOEはJBの前座のライブでJBファンに叩かれ、自身は骨折はするしで、もう商業音楽に疲れてアンビエントに癒しを求めた部分も多かれ少なかれあるだろう。対するKjもZeebraに「公開処刑」を受け、ヒップホップがやりづらくなった後もセールスは伸び、疲れ切ったことと思う。そこでアンビエントである。

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アンビエントテイストな楽曲でベストアルバムにのみ収録された「wipe your eyes feat. Kaori Mochida from ELT」では「Grateful Days」のACOのようなボーカルの持田香織の透き通ったボーカルが聴ける。上手くマッチしていて癒される。

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Dragon Ash『Harvest』

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「House of Velocity」はアンビエントでリキッド・ファンクみたいな感じ。「United Rhythm」はタブのような部分があったり、「morrow」はオートチューン処理されてるような箇所がある。「Mob Squad」もクールで90'sアングラヒップホップな感じのするトラックで、ドローンのようなベースとハット系の軽いドラムのビートが心地良い。待ってましたとばかりに鳴り渡る「Fantasista」。もう既にイントロの入りで興奮冷めやらぬ感じになってしまっているが、そこから口火を切ったように始まる早口言葉のようなボーカルはやはり歌いこなせない。プライマル・スクリームの『Screamadelica』みたいな雰囲気。

ラテン音楽

この頃からはあまり表立って目立つようなこともなかった印象。またライブではバックダンサーが踊り始めた。当ブログでは音楽カテゴリにて「最高に跳べるシリーズ」「落ち着きたいときに聴くシリーズ」「落ち込んだときに聴くシリーズ」をシリーズ化しているが、Dragon Ashヒップホップ期は「最高に跳べるシリーズ」、アンビエント・ラテン期は「落ち着きたいときに聴くシリーズ」「落ち込んだときに聴くシリーズ」に分類できる。やはり、ラテンは癒しである。

Dragon Ash『Río De Emoción』

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全体的にラテンの風がなびいていて、チルできる雰囲気。ブラジル民謡を元にした「La Bamba」をカバーしたメキシコ系アメリカ人バンドLos Lobosにちなんでか、ブレイクビーツな「Los Lobos」収録。ドラムンベース(というよりはジャングルに近い)とレゲエが一緒になったようなリズムやらフラメンコのようなリズム。「crush the window」が最高。

Dragon Ash『Independiente』

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冒頭の「Develop the music」が最高。『Río De Emoción』に引き続き筋肉タレントの武田真治がサックスプレイヤーとして参加している「El Arma」。原点回帰のようなバラード調の「夢で逢えたら」。

―――For divers area 

またこの頃出されたベスト盤に収録された新曲「For divers area 」はアップテンポでサンバカーニバルのような仕上がりになっている。

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Dragon Ash『Freedom』

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表題曲「Freedom」はクールなカーニバル。「Episode 7」ではまたもやSBKとのフィーチャリング。ここに来て「La Bamba」のカバーも収録。次作への伏線のような「Mixture」はスクラッチディストーションギターのイントロにラップといったリバイバルを感じる。南国のように温かい「運命共同体」。

リバイバル

Dragon Ash『Mixture』

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原点回帰的タイトル。ラテンもラップも残り香を感じる。「Ambitious」では「Fantasma」を彷彿とさせるサッカーテーマソング。「BEAT SURF」はシングル版の方が好き。アルバム版は落ち着いていてカーニバル感が少ない、と言うか別の曲に聞こえる。ラストの「ROCK BAND」は感動できるほどストレートな「忘れてねぇ今も何も 俺の夢はロックバンド」というメッセージ。

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Dragon Ash『The Faces』

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「Trigger」はRATMのような雰囲気でカッコ良い。「Blow Your Mind」の間奏のギターやら、サビでのスクラッチやらがカッコ良い。「Walk with Dreams」はクライマックス感のあるロック。「The Live」のKenKenのうねるスラップベースが最高。

Dragon Ash『Majestic』

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イントロのサウンドから今までの毛色と全く違う。Boom Boom Satellite感が強い、ニューウェーブのようなデジタルロック感。歌唱もメロディもすべてロックバンドらしいサウンドになって新章Dragon Ashという感じ。客演のないアルバム作品は『Buzz Song』以来。何の影響でもないDragon Ashの音。

―――Y2K

■JUBEE『Explode』

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「Kick it loud」から『Viva La Revolution』のような雰囲気で、声やフローはZeebraさながら。「手紙」はバラード風。「Black Flys」は『HARVEST』さながらのダブ。

影響を受けた人物は?
Dragon AshのKjですね。自分の音楽性を育ててくれたと勝手に思ってて。単純にロックだけじゃなくて、そこにヒップホップやジャングルの要素が入ってきたり、彼が影響を受けたバンド……AIRとかThe Smashing PumpkinsとかもDragon Ash経由で知ることができたし、もちろんファッション的な影響も受けてて。自分にとってすごく大きな存在だと思いますね。

www.redbull.com

 

www.youtube.com

Mall BoyzのTohjiもDragon Ashは好きなようで、なんならキングギドラも聴いたりしていたようだ。

Tohji:あとオレは、Dragon Ashが好きでしたね。オレ的にあの頃のDragon Ash宇多田ヒカルと同じぐらいの存在で。KJはめちゃくちゃいいと思うし、本当にすごいと思ってます。

magazine.tunecore.co.jp

 

以上。