1.SADFRANK『gel』
長谷川白紙や笹川真生のような雰囲気でありながら、語気が強くなるパートでは元ちとせのような歌い方になる。インストのジャズのような「offshore」はクールでアヴァンギャルド。静と動が同居するシンプルでエモーショナルな作品としては、七尾旅人に近い雰囲気を感じる。
2.Brandtson『Dial In Sounds』
「Mark It A Zero」から求めていたアコースティックなロック。エモはエモい。
そのアーティストがそのアーティストである良さやブランド力はあるだろうが、バンプはこの1枚を聴けばわかる。バンプに憧れてバンドを結成することがあっても、音に声に名前がタグ付けされていないような量産型の作品が多い。改めて聴くと特有の雰囲気を持つバンドって似たようなバンド編成でも違いやブランドが出せるのが凄い。それを実感できる。2004年作品。
4.NEE『NEE』
ヴィレッジヴァンガードがオシャレなドン・キホーテだとしたら、コミカルなKing Gnuが当バンドになるのか。「下僕な僕チン」は初期の米津玄師のような不協和音のリフが中毒になる。全体的にボカロのような雰囲気があるが、ボーカルのくぅがボカロPの村上蔵馬のようだ。
5.For Tracy Hyde『Hotel Insomnia』
渋谷系の時代、90年代のネオアコやシューゲイザーに近く、プライマル・スクリームのようなマイブラのような雰囲気を感じる。楽曲が日本というより洋楽のような雰囲気で、かつ日本語で歌われるところに趣を感じる。ジャケも内容もスタイリッシュでどこかノスタルジック。
6.Tobokegao『TOBOX』
令和の時代にしてチップチューンサウンド。YMCKのようなラウンジ感がありながら、シティポップのような揺らぎやオザケンのような歌詞の軽やかながらに思考的な雰囲気が良い。
7.pomodorosa『pomodorosa』
渋谷系のような爽快なギターポップでアコースティック感が最高。夏に日差しを浴びつつ聴きたい系の曲ばかり。「GoogleMap」も最高。曲もGoodだが、イラストもまた最高。音楽とビジュアルが両方楽しめるアーティストで、イラストレーターとしての作品も最高だ。
8.The Otals『U MUST BELIEVE IN GIRLFRIEND』
Adoのように顔を出していないユニットで、カートゥーン調のキャラクターで模されるアーティスト。バンド名から恐らく小樽出身。シューゲイザーとあるが、爽やかな雰囲気の10年代インディポップスみたいな感じ。ボンジュール鈴木っぽいボーカル。
9.uri gagarn『無題』
uri gagarnの1st。全体的にボーカルがほぼないインディーロックのような雰囲気だが3ピースバンドなので音自体は落ち着いていてシンプル。日曜の昼頃から夕方にかけてこれを聴きながら過ごしたらそれなりに味のある休日になるだろう。12分もある「Maron」は夕暮れ時に夕日を眺めながら聴きたい落ち着いた雰囲気。
10.Local Visions & 長瀬有花『OACL』
ジャスコテックのような、シティポップのような雰囲気でありながらネットミュージック感もあり、ノスタルジーを感じる。「夢色ゆらゆら」なんて完全に80年代のテクノ歌謡。
以上。