アヴァンギャルドなジャズはやはり良い。日中はアヴァンギャルド、夜はスウィングみたいなイメージがあるが、もう一日中アヴァンギャルドでも良い。アヴァンギャルドと言えばジョン・ゾーン。ジョン・ゾーンと言えば下記のインタビューがある。
――東京とNYの往復生活をしているわけだけど、NYにない東京の魅力と、逆にどうしようもなく腹の立つことというのは?
JZ 東京は食べ物も美味しいし、ぼくがパクって自分のものにしていくための様々なスタイルの音楽や情報がある。しかし、生活するとなるとどうしようもなく住みにくいんだ。 外国からきて生活している人間を受け入れていくという経験が未熟なせいかもしれないけど、ほんとにひどい。こう言うとすぐに、日本は島国だからという言い訳が必ず出てくる。しかしイギリスも島国だし、マンハッタンだって島なんだ。 人種問題というのはどこの国にもあるものだし、ぼくはユダヤ系で、向こうでもそういう経験がないわけじゃないんだけど、日本の場合にはちょっと違っていて、もっと深刻なんだ。?ガイジン?という不快な言葉を聞くと本当に頭にくる。 この言葉は人間を向こうとこちらに分ける象徴なんだ。ぼくがこっちに来るようになってから6年になるけど、その間にどんどん保守化が進んで、まるでファシズムが台頭しているように感じる、30年代のドイツみたいに。
ジェフ・ミルズも似たようなことを言っていた記憶がある。海外の人にとっては”外人(ガイジン)”が差別用語として受け取られている。文化的な違いだろうが、日本人は冷たいと思われているのは割と事実なのだろう。
☟ジャズと言えばタモリも過去にジャズ作品をリリースしていて、価格が高騰している。結構攻めたジャケだが、内容は80年代のようなニューウェイヴっぽいジャズだ。ジャズというかジョージ・マイケルっぽいCareless Whisperっぽいソウルナンバーだ。
1.Two Bands And A Legend『Two Bands And A Legend』
ジョン・ゾーンやボアダムスっぽいアヴァンギャルドなジャズ。もはやジャズというものの概念を疑いたくなってくる。
2.Fat『Hit』
ジャズであるかどうか以前に自由系過ぎて言葉が出て来ない。かなり実験的な内容だが、一曲一曲が突出してるタイプというよりは、全体的に不安になる感じの音が出てる印象。
3.Thelonious Monk『Solo Monk』
「Dinah」から惹き憑かれるが、リバーブのないシンプルなピアノのみで奏でられる音が心地良い。ピアノだけだが軽快なリズムを刻んでいて、力強いタッピングながらも心地良い緩急のある作品になっている。全体的に聴いてて明るい気持ちになる。
4.Bobby Hutcherson『Linger Lane』
ビブラフォンの音色が美しい作品。「NTU」が最高。麺の代わりに豆腐とかこんにゃく麺に変更できるみたいな感じで、サックスソロ的なパートをビブラフォンでやってる。メロディを担う部分もあれば、バックの音楽を担う部分もある。
5.Ray Lema『Transcendance』
若干ラテン的な雰囲気を感じる。朝聴きたい感じのジャズ。ベースン低音とピアノ・サックスの軽快なリズムが良い。「Sin」のようなロック調のギターが入るところもカッコ良い。
6.yaya3『yaya3』
サックスとオルガンの音色が心地よいチルな作品。コルトレーン的な雰囲気。ジャケもタイトルも良い。
7.Les Hommes『Les Hommes』
西洋モダンな雰囲気を感じるアシッド・ジャズ。探偵がバーやカフェで捜査の予定を立ててる時みたいな音楽。
8.Benoit Widemann『Tsunami』
ジャズ(というよりフュージョン)の中でもかなりアンビエント。全体的にシンセの音がかなり良い。
'78年作とは思えない程新しい雰囲気があるしジャケも良い。表題の「Tsunami」は和風テイストで思わずYMOを連想する。作者のブノワ・ヴィデマンは情報処理技術者としてアプリ開発も行っているというから驚き。
9.ZAN『Neo Tokyo Lounge』
和風テイストでクラブっぽい雰囲気のジャズ。銀座あたりのオシャレな百貨店やホテルのラウンジで流れてそうな曲。エレクトロ・スウィングとはちょっと違うがチルできるオシャレなクラブ系って感じ。筝、尺八、篠笛が使われているのが西洋音楽×日本の伝統×クラブって感じのミックスされたFuture Jazzって感じがする。
10.Esquivel, His Piano And Group『Four Corners Of The World』
メキシコらしいラテンの陽気さ軽快さを感じるジャズ。モンド感のある最高なラウンジミュージックで、サンバのようなリズムの上を踊るようなピアノが良い。
☟補足だが、Ezra Collectiveというジャズ集団も気になっている。
〈おまけ〉
☟ジャズ漫画『スインギンドラゴンタイガーブギ』の公式プレイリスト。
以上。