基本的にこのシリーズは仕事終わりとかに聴いたりするイメージだった。ただ、朝となるとあまりアップテンポなものがダメな時ってあるな(夜更かしして既に疲労のまま仕事に向かう時など特に)。そこで思ったのは、カントリーって聞いてて疲労がないし、無条件に明るくてどこかの農牧を彷彿させるということだ。アップテンポで鼓舞するわけでもなく、労働階級の白人が作り出した音楽だけあってその辺のもどかしい感情まで含めて考えて作られてるジャンルなのかもしれない(ここではカントリー以外も紹介する)。
1.The Shadows Of Night『Live 1966』
ライブの疾走感と盛り上がり具合ってやっぱり良いな。全体的に全力疾走して歩いて休んでまた走るみたいなマラソンみたいな作品構成。比較的チルアウト系のAnyway that you meが良い。長距離で軽くランニングするみたいな雰囲気。
2.ZZ Top『Eliminator』
聴いたとたんに景気の良い音が飛び出す。ギターの音がもう暗い気分をどこかへやっちまうぐらいの勢いで、エンジンの掛かったバイクであとはもうぶっ放していくだけみたいな状態。でもちゃんと寄り添って並走してくれるような心地よさがある。
3.Laura Nyro『Time & Love And Her Essential Recordings』
カーペンターズのような、竹内まりやのような安らぎがある。夕方とかに聴くと安心するし、心に染み渡る。無理矢理過ぎない明るさが疲れないし、人に押し付けない明るさ。ファンクさも交えながら一転クールな「Sexy Mama」も良い。
4.Dock Boggs『Down South Blues』
ずっとギター一本のカントリーみたいなブルース。声が映える。疲れて何も考えたくない時に聴くとダラっと聴いてしまうシンプルさで良い。けだるい感じで歌ってるのが最高。
5.Manu Chao『Radio Bemba Sound System(Live)』
レゲエ・スカでかつライブの盛り上がりという最高に祭り感のあるアルバム。
2曲目から地続きで最高潮の盛り上がりのまま3曲目にシームレスに繋がるのが最高。良いライブ聴いて終わった後の余韻のような贅沢感がある。全体的に曲展開がシームレスなのでずっと盛り上がれる。
6.Canned Heat『The Hunter』
軽い感じのブルースで良い。おしゃれで軽快で楽しいとか悲しいとかなく、良い曲。こういう極端に感情がうるさくない曲というのが一番良かったりする。
7.Dave Dudley『Hits』
トラック運転手のためのカントリーって感じで朝から爽快な気分になる。朗らかな雰囲気が良い。心地の良いテンポで気分が救われる。ジャケのようにこれを聴きながらRoute66みたいな道を走りたい。
8.Smash Mouth『Fush Yu Mang』
スカやダブのようなリズムでハイスタのような勢いでやってる(時折米米クラブを感じる曲もあり、ボサノヴァもある)。銀蝿とは違った海外映画のような悪ガキ感が良い。一昔前はこんな感じの曲がゲームショップや古本屋で流れていた記憶。「Why Can't We Be Friends?」最高。
9.The J.B.'s『Funky Good Time: The Anthology』
滅茶苦茶収録曲数の多いアルバム。JBのファンキーでミニマルなビートが鼓動のように落ち着く。パブリック・エネミーにもサンプリングされた「The Grunt」もカッコ良い。逆にJBの声があまり入っていなくてリズムだけがずっと続くのが良いのかもしれない。
10.ハナ肇とクレイジーキャッツ 『クレイジーキャッツ コンプリートシングルス HONDARA盤』
全曲明るい盆踊りみたいなものばっかりで、サラリーマンソングみたいなのが面白いし勇気付けられる。最近の国内の応援ソングみたいな奴なんかよりもよっぽど良いし、気分が優れる。コミック・ソング的でもブルースのようにも思え、ある意味働く男の悲哀を歌ってるけど悲しいという感情は緩和されるのだ。
以上。