1.柿原朱美『Refile』
「泣きたかった」から涙が出るような優しく美しいバラード。近年の作風から考えるとだいぶギャップがある。夕暮れの中一緒に歩いて帰ってくれているような特別な時間のような癒しのひと時を堪能できる。
2.秋本奈緒美『One Night Stand』
全体的にジャズを基調としたオシャレ系ニューウェーブになっている。中には「Alexander's Ragtime Band」のようなハイテンポな曲もある。かと思えばASA-CHANG&巡礼のような感じの謎曲「Tennessee Waltz」で終わる。
3.中谷美紀『私生活』
坂本龍一プロデュース。全体的に坂本龍一『Smoochy』っぽい雰囲気。その他竹村延和や半野喜弘が参加し、中谷美紀のセリフや生活音をサンプリングしたインスタレーション的なインストが作成されている。ほとんどがカバーや既存曲ではあるものの、アレンジによってコンピューターテクノロジー的なサウンドになっている。
4.安東ウメ子『Ihunke』
アイヌの音楽家。トンコリの音色や自然音が心地良いウポポ(歌唱)。トライバルなノンビートの音楽は最高の癒しである。「Mukkuri」ではムックリの独特な音色を堪能することが可能。
5.Sacra『Tsuinosumika』
中国の民謡のような感じのヒーリング音楽。至高の作品。ただただ癒されたい時、何もしたくないボーっとしていたい時、これが効く。子守歌のような優しい音楽。この音楽を聴くときは他の音を許したくないくらいには良い。
6.Säju『Säju』
民謡のようなアジアンテイストな歌唱にドラムンベースが加わったワールドビート作品。かと思えば「アディオス = Adiós」は日本語で歌唱されており、ゆったりとしたダウンテンポ作品。ただでさえアジアを感じるBjörkのアジアンバージョンという雰囲気のトリップホップ。1997年作品だが、時代がこの頃はトリップホップのメディテーションに陥っていたと思われる。
7.Malefices『COMPLETE RECORDINGS』
95年に表れては2年で解散した男女ユニット。日・英・仏のトリリンガルなボーカルにヨーロピアンなトラック。渋谷系なんかではないゴージャスでホンモノのフランス暮らしの人たち。
8.葛生千夏『The City In The Sea』
低音の鳴りが良い。ベースにしろドラムにしろ抜けが良い。昔のゲームやアニメのRPGやファンタジー感がある。
9.木之内みどり『硝子板』
良い意味でキャピキャピ感が無いボーカルで聴きやすく、曲調も愉快な雰囲気でフォーク的。いかにも70年代後期~80年代前半の雰囲気で歌謡曲って感じ。表題曲の「硝子板」はイントロから神がかっている感じがある。なんか吉田拓郎っぽい。
10.森田童子『マザー・スカイ = きみは悲しみの青い空をひとりで飛べるか』
「ぼくたちの失敗」からピアノの音色が涙を誘う。口笛のパートがさらに追い打ちをかけ、ストリングスがまたさらに追い打ちをかける。歌声が唯一無二な感じがする。優しさに溢れた中島みゆき。
以上。