寝る前に聴きたいタイプビートとかってジャジーなものが多い。そこで寝る前に良さそうなジャンルと言うかムーヴメントの一群を紹介する。
ムーヴメント
New Jazz Type Beat
TikTokではタイプビートの一種としてNew Jazzというものが生まれているらしい。ジャズと言えど、実際はインストゥルメンタル・ヒップホップという言わばビートテープである。聴いてみるとトラップ・ビートだったり、エモいコードにビートを乗っけた00年代のような懐古的なビートで、ジャズっぽさはあまりないし少なくとも"New"ではない。ただこういうものが新たに出てくるのがヒップホップの面白い部分ではある。尺が短いのも特徴的だ。
記事で触れた曲を中心に収録したプレイリストも作りました。あわせて是非。https://t.co/SdzCV8vvW7
— アボかど (@cplyosuke) 2024年8月4日
SIC RECORDS
下記はNTS Radio(音楽に特化したロンドンのオンラインラジオ局)でのチャンネルだが、ここでミックステープのように1時間ほどのビートテープを聴くことが出来る。
SIC RECORDSではJazz × VaporwaveのVaporjazzなるジャンルとしてムーブメントを起こしている。ビートテープとVaporwave的なアブストラクトでアングラな感じが結構しっくりくる。
Barber Beats
具体的なジャンルの発足年がいつからかはわからないが、VaporwaveアーティストのHaircuts for menの音楽スタイルをアーティスト名から「バーバービーツ」と理髪店の名前を用いたのだと思われる。
恐らく出身地からして日本人なのでは?というGOREもバーバービーツ・アーティストの一人で、日本人がVaporwave特有の不自然な日本語をタイトルに付けていると考えると興味深い。
SIC RECORDSの楽曲群を聴いたときに思ったのが、Barber Beatsと何が違うのか?という疑問だったが、Vaporwaveにビートを乗せた作品はVaportrapとしても出ていたし、音的にはLo-fi Jazzのサウンドに近い感じがする。
ただよくよく調べるとVaporjazzのタグと共にBarber Beatsと添えられることもあり、同時にVaporgothなるジャンルさえあることもわかった。細分化されて比較的BPMの速いVaporwaveも増えてきて、初期の聴きづらい、不気味な印象は薄れて音楽的にまとまった作品がいつの間にか増えていることがわかった。これらは"postvaporwave"と付け加えられていたりする。2020年を過ぎた今でもまだVaporwaveは健在だった。
☟ちなみに、Spotifyでlofi hiphop系の公式プレイリストがAIアーティストで埋め尽くされている現象が起きているらしい。
以前にも呟いたSpotify側がfake Artistを大量に作り主要プレイリストに入れてアーティストへの分配を減らそうという動き、この2年でほとんどのプレイリストで見られひどいところではプレイリストの2/3にまで侵食しているそう。すっかり忘れられてるけどこれもっと話題にした方がいい。 https://t.co/coB5SX8uhF
— BROCKBEATS (@brockbeats) 2023年10月17日
1.Aim『Cold Water Music』
ビートアルバムだが雰囲気はトリップホップやダウンテンポっぽい雰囲気があって、ラウンジミュージック感が強い。「Ain't Got Time To Waste」とかシンプルなビートにラップと言う構造がNujabesっぽい感じのジャジー・ヒップホップで最高。
2.Exile『Radio』
タイトル通りラジオを意識したような作品で、ジャンル関係なくごちゃまぜのMix CD的な作品になっている。ザッピングの展開とビートが面白い。
3.Pigeondust『Way Back When』
質素な感じが良い。アパートで隣に響かないようにひっそり鳴らしているような優しいジャジーなサウンド。シンプルなのにオシャレ。渋谷や新宿のおしゃれ雑貨ショップで流れてたら気分が良いビート。
私の3rd albumって出した時全然反響なかなったけど、気づいたら曲によっては120万回再生されてるのね。💞
— 𝙋𝙞𝙜𝙚𝙤𝙣𝙙𝙪𝙨𝙩 (DJ Pigeon) (@pigeondust) 2023年10月12日
いつも聴いてくれている皆さんありがとう。 pic.twitter.com/HZBPzqjwta
Asteroid Desert Songs(A.D.S. )の後継グループだが、からくり箱のようなサンプリングのビートは健在。モールに併設されたカフェやらでのんびり昼下がりに聞いて夕日を眺めたい作品。
1997年の結成から制作に10年の歳月を要したスマーフ男組のアルバム『スマーフ男組の個性と発展』が9月よりサブスク配信開始。ヒップホップ、ベースミュージックの目覚ましい進化を横目に、オルタナティブであり続けた孤高の作品世界について、COMPUMA氏にお話を訊きました。https://t.co/S6sG1sBIFi
— 小野田雄 (@OND74) 2023年10月12日
5.The 45 King『The 900 Number EP』
繰り返しのビートとサックスのリフのみという、シンプルながらアレンジしやすいビート。アーメン・ブラザーズやジェームス・ブラウン並みにサンプリングされてるのでは。
6.Uyama Hiroto『freeform jazz』
Nujabesを支えてきたプレイヤーでありDJ。単なるインストゥルメンタル・ヒップホップではなくニュー・ジャズとも言うべき新たな路線で、メロディの展開も幅広い。
7.Doubutsu System『Sunrise』
J Dillaみたいな雰囲気。古いレコードとビートと言うクラシックなサウンド。シンプルな音だがかえってオシャレで余計な音のない洗練された雰囲気。
8.The Alchemist『Israeli Salad』
タイトルも相まってか中東辺りのアジアっぽいエスニックな雰囲気を感じる。上野のエスニック系のショップやカフェ、または神保町の古本屋みたいな個人経営タイプの名も知らぬ店で流れてくれていたら趣深い。
9.Vanilla『Origin』
Lo-fi Hip Hopっぽい。思った以上にジャンルの幅が広い。和風だったり、ジャズだったりラテンだったり、シンプルなのに旅行しているような感じの多国籍感がある。
10.Cut Chemist『The Audience's Listening』
学生時代、休日ラウンドワンとかに遊びに行って昼どうするか迷ってるときぐらいの時間帯に聴きたい。ターンテーブリズムのサンプリングにビート、ラジオのザッピングのような虚無状態の昼過ぎ辺りに垂れ流して聴きたい雰囲気。
以上。