Patchwork Dream

随時、記事の加筆・修正または再掲載します。

最強のビート・テープ10選④

寝る前に聴きたいタイプビートとかってジャジーなものが多い。そこで寝る前に良さそうなジャンルと言うかムーヴメントの一群を紹介する。

ムーヴメント

New Jazz Type Beat

TikTokではタイプビートの一種としてNew Jazzというものが生まれているらしい。ジャズと言えど、実際はインストゥルメンタル・ヒップホップという言わばビートテープである。聴いてみるとトラップ・ビートだったり、エモいコードにビートを乗っけた00年代のような懐古的なビートで、ジャズっぽさはあまりないし少なくとも"New"ではない。ただこういうものが新たに出てくるのがヒップホップの面白い部分ではある。尺が短いのも特徴的だ。

open.spotify.com

SIC RECORDS

下記はNTS Radio(音楽に特化したロンドンのオンラインラジオ局)でのチャンネルだが、ここでミックステープのように1時間ほどのビートテープを聴くことが出来る。

www.nts.live

SIC RECORDSではJazz × VaporwaveのVaporjazzなるジャンルとしてムーブメントを起こしている。ビートテープとVaporwave的なアブストラクトでアングラな感じが結構しっくりくる。

Barber Beats

具体的なジャンルの発足年がいつからかはわからないが、VaporwaveアーティストのHaircuts for menの音楽スタイルをアーティスト名から「バーバービーツ」と理髪店の名前を用いたのだと思われる。

恐らく出身地からして日本人なのでは?というGOREもバーバービーツ・アーティストの一人で、日本人がVaporwave特有の不自然な日本語をタイトルに付けていると考えると興味深い。

visceraandvapor.bandcamp.com

SIC RECORDSの楽曲群を聴いたときに思ったのが、Barber Beatsと何が違うのか?という疑問だったが、Vaporwaveにビートを乗せた作品はVaportrapとしても出ていたし、音的にはLo-fi Jazzのサウンドに近い感じがする。

www.youtube.com

ただよくよく調べるとVaporjazzのタグと共にBarber Beatsと添えられることもあり、同時にVaporgothなるジャンルさえあることもわかった。細分化されて比較的BPMの速いVaporwaveも増えてきて、初期の聴きづらい、不気味な印象は薄れて音楽的にまとまった作品がいつの間にか増えていることがわかった。これらは"postvaporwave"と付け加えられていたりする。2020年を過ぎた今でもまだVaporwaveは健在だった。

☟ちなみに、Spotifyでlofi hiphop系の公式プレイリストがAIアーティストで埋め尽くされている現象が起きているらしい。

1.Aim『Cold Water Music』

open.spotify.com

ビートアルバムだが雰囲気はトリップホップダウンテンポっぽい雰囲気があって、ラウンジミュージック感が強い。「Ain't Got Time To Waste」とかシンプルなビートにラップと言う構造がNujabesっぽい感じのジャジー・ヒップホップで最高。

2.Exile『Radio』

open.spotify.com

タイトル通りラジオを意識したような作品で、ジャンル関係なくごちゃまぜのMix CD的な作品になっている。ザッピングの展開とビートが面白い。

3.Pigeondust『Way Back When』

open.spotify.com

質素な感じが良い。アパートで隣に響かないようにひっそり鳴らしているような優しいジャジーサウンド。シンプルなのにオシャレ。渋谷や新宿のおしゃれ雑貨ショップで流れてたら気分が良いビート。

4.スマーフ男組『スマーフ男組の個性と発展』

open.spotify.com

Asteroid Desert Songs(A.D.S. )の後継グループだが、からくり箱のようなサンプリングのビートは健在。モールに併設されたカフェやらでのんびり昼下がりに聞いて夕日を眺めたい作品。

5.The 45 King『The 900 Number EP』

open.spotify.com

繰り返しのビートとサックスのリフのみという、シンプルながらアレンジしやすいビート。アーメン・ブラザーズやジェームス・ブラウン並みにサンプリングされてるのでは。

6.Uyama Hiroto『freeform jazz』

open.spotify.com

Nujabesを支えてきたプレイヤーでありDJ。単なるインストゥルメンタル・ヒップホップではなくニュー・ジャズとも言うべき新たな路線で、メロディの展開も幅広い。

7.Doubutsu System『Sunrise』

open.spotify.com

J Dillaみたいな雰囲気。古いレコードとビートと言うクラシックなサウンド。シンプルな音だがかえってオシャレで余計な音のない洗練された雰囲気。

8.The Alchemist『Israeli Salad』

open.spotify.com

タイトルも相まってか中東辺りのアジアっぽいエスニックな雰囲気を感じる。上野のエスニック系のショップやカフェ、または神保町の古本屋みたいな個人経営タイプの名も知らぬ店で流れてくれていたら趣深い。

9.Vanilla『Origin』

open.spotify.com

Lo-fi Hip Hopっぽい。思った以上にジャンルの幅が広い。和風だったり、ジャズだったりラテンだったり、シンプルなのに旅行しているような感じの多国籍感がある。

10.Cut Chemist『The Audience's Listening』

open.spotify.com

学生時代、休日ラウンドワンとかに遊びに行って昼どうするか迷ってるときぐらいの時間帯に聴きたい。ターンテーブリズムのサンプリングにビート、ラジオのザッピングのような虚無状態の昼過ぎ辺りに垂れ流して聴きたい雰囲気。

 

以上。