ヒップホップをやっている、ある若いヤンキー氏にかつて聞いた話として、とにかくロックはギターなりキーボードなり、「モノ買う」ことなしに成立しないが、ラップは自分の舌があればできる、ということだった。彼にとってロックは金持ちの音楽で、反抗の象徴には見えなかったらしい。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2022年9月29日
1.Buddha Brand『病める無限のブッダの世界 ~Best Of The Best (金字塔)~』
90年代のクラシックなJラップは夕方が似合う。日が沈み始めてから路地裏の影からヒップホップクルーが出てくるようなイメージ。サウナ→水風呂のような程よい熱気とクールダウンのある最高な作品。まさに金字塔。「人間発電所」はこれを待っていたんだと言わんばかりの安心感。
2.NF Zessho x Aru-2『AKIRA』
夜聴きたいタイプのラップ。Aru-2のチルでDOPEなトラックに、NF ZESSHOの硬派なラップで最高の雰囲気。リラックスしたい時に少し部屋を暗くして聴きたい。ジャケのような夜を彷彿とさせる。
3.JJJ『MAKTUB』
1曲目から久石譲のCMソングをサンプリングしたクールなトラック。「July」のトラックがカッコ良い。トラックをSTUTS、客演にOMSBを迎えた「心」もエモい。
4.Jinmenusagi『Lxve -業放草-』
緩い温度感のグルーヴが癖になる「俺俺俺」から開幕。全体的にミドルテンポで癖になる脱力系のグルーヴ。途中で曲調がまったく異なって驚く「Tokyo」とかAzymuthみたいなトラックで、途中に差し込まれる子供の歓声なんてネットのフリー音源なのにカッコ良い。「Go Kill 'em All」とか最高。
5.YAMAZIN『KIMIGAYO』
「MAGIC SPICE」のラップがジャジーなビートにマッチして最高のグルーヴを醸し出している。「ストロベリーファンク」「GO」も癖になる繰り返しのフレーズが最高。表題曲の「君が代」も良いトラック。
6.ORLAST B『PROLOGUE』
2022年時点でCK9(6歳)FALCO(5歳)のヒップホップユニット。どちらがどっちなのか今のところ分からないが、一方がZEEBRAのようなダミ声で一生懸命歌っていて、もう一方がTohjiのようなハスキーでエフェクト的な発声。ただ歌詞がめちゃくちゃ可愛らしいこと歌っていてそのギャップが微笑ましい。将来大物になる2人。
7.Haiiro De Rossi『Alternative(Expanded Edition)』
独り酔いしれるためにあるような「Vibes, Mood, Tension, Motivation(feat. crime6)」のカッコ良いビートとバース。次曲のややスピード感のある「Blue Spirit」もカッコ良くて癖になるAメロ。
8.BLYY『Between Man And Time Crystal Poetry Is In Motion』
令和の作品だがクラシックな雰囲気で90後半~00前半頃のような、キック強めなビート主体でアブストラクトなバッキングのトラックが多い。ヒップホップのアングラってこういう感じってサウンドで「Stage」とか個人的に好き。シンプル故に出てくるシックなオシャレさがある。ジャケもカッコ良い。
9.鷹の目『LOOKING FOR BUBASTIS 0』
トライバルな複雑なビートの「Northern Light (垂直落下 DE 脳震盪 REMIX)」がイカス。呂布カルマにしては若干声が高い気がする。全体的にビートが特徴的で、展開が凄いというわけでもなくミニマルな雰囲気ではあるものの、静かに狂気を秘めているように聴こえるサウンド。
10.Microphone Pager『Don't Turn Off Your Light』
「病む街」、ニッポニア・ニッポン然りこういうイルビエント的なシンプルながら情緒的なトラックに社会派なリリック、これが90年代のアングラっぽい雰囲気。GOMESSも引用した「Rapperz Are Danger」のバース「ウラーうつったFUNKY FUNKYウイルスがうつった」というよく考えたらよくわからない歌詞含めて最高。やっぱり、こういう90年代のアングラは今聴いても最高と思えるし、しっかりJラップのクラシック的、バイブル的作品に思える。
以上。