Patchwork Dream

随時、記事の加筆・修正または再掲載します。

今聴いても最高な渋谷系10選④

1.Harvard『Lesson』

lesson

インディーレーベル・エスカレーターレコーズの2人組デュオ。「Flakk」からもう青春みたいなサウンド。学生で土手沿いを歩いていてみたいなゆったり感。名曲「clean & dirty」も爽やかでチルなメロいビート。なんか郊外のドラッグストアで流れてそうな洗練されたサウンド。「learning」もミニマルなミドルテンポが最高。i am robot and proudみたいな雰囲気。

ハーバードは日本国内では知名度が低いのに対して、韓国では映画主題歌やCMに起用されるなど、韓国のポップソングに影響を与えた渋谷系の第一人者的存在なのだとか。韓国では日本の渋谷系が遅れて2000年代中頃から入ってきた模様で、m-floなどの国内で渋谷系と呼ばれなかったものも洗練された日本の楽曲≠渋谷系として紹介されていたようだ。

――パソコン通信のときのようなサークルがサイワールドの中にあったということですか?

いや、それが違うんです。サイワールドって加入者それぞれのホームページにアクセスしたとき、BGMが流れる仕様になってたんですね。そこで流れていたのがHARVARDの「Clean & Dirty」であり、m-flo loves melody. & Ryoheiの「miss you」、Fantastic Plastic Machineの「Days and Days」、Nujabesの「Aruarian dance」などだったんですよ。その頃の韓国の歌謡曲というと、どうしても泣きのバラードが多かったわけですが、そうしたものとは明らかに違う洗練されたダンストラックがそこで鳴っていた。2003年から2004年という時期はまさにサイワールド全盛期だったんですが、この4曲もすべてこの2年のうちに出てるんですね。

natalie.mu

2.strawberry machine『Girl Friend』

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おかべあきらによる名古屋発の宅録プロジェクト。チープでありながら静かでシンプルなトラックにカラオケ的なウィスパーボイスが乗った作品。台所で作った料理のように巧みでないにしろ美味い料理みたいな温かさと可愛らしさがある。

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3.セカンドワルツ『テレパスガール』

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Rocket or ChiritoriほどLo-fiではないが、宅録感は凄い。伊津原しまみたいな世界観。インディーロックっぽい「リリィへの気もち」良い。「好きになっちゃった」も良い。ラストの「夢は叶わない」も切ないながらにオシャレでカフェで流れていそうなジャジーテイストな雰囲気。後半の伴奏の方が長い。

4.Various『killermont street 2001』

Various – Killermont Street 2001

2000年初期のフレッシュな感じが凄い。というよりネオ渋谷系コンピって感じで、電子的な感じが少ないインディーっぽい時期の英詩のおしゃれなポップが多い。Cymbals「(Love Is Like) A Heat Wave」とか良いし、Citrobal「Day By Day」も良い。

5.FAKE TYPE.『FAKE JAZZ』

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トラック自体は渋谷系のようなジャズを基調としたもので、エレクトロ・スウィングにあたるスタイル。故に中塚武っぽい感じがするが、ラップ自体もポップで明るい雰囲気で安心して聴ける。ルイ・プリマ作曲の「Sing, Sing, Sing」など、ジャズの名作をベースとした曲が多い。体調悪い時、精神安定剤的に聴ける。

6.Port of Notes『TWO』

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ボサノヴァっぽくてMonday満ちるのような感じかと思ったが、もっと軽くアコースティックで落ち着いている。本作は21年にリリースされたセルフカバー作品だが、カフェで流れていたのをShazamで読み取って改めて聴き直したもの。普通に夏のカフェのテラスとかで聴きながらまったり過ごしたい。

7.Orange LoungeOrange Lounge

Orange Lounge - Orange Lounge

テクノポップ・ラウンジミュージックという印象。全体的にボサノヴァのリズム感でピチカートファイブなどの90年代っぽいモンドな雰囲気と00年代のフューチャーポップっぽい洗練されたシンプルなサウンド。全体的にカヒミ・カリィっぽいボーカルだが「BREAK-OUT (Orange Lounge Remix)」は初期のPerfumeっぽい。

8.HAL FROM APOLLO '69『Pyramid Of Venus』

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ハウスミュージックの福富幸宏プロデュース。ただサウンドはロック。「Icecreaming」から渋谷系のような軽やかなギターポップにウィスパーヴォイス。「Darker Than Your Eyes 2」はねっとりした歌い方でサイケっぽいというか宇宙っぽい。「Vinyl Head」はダークな雰囲気で最高。ラスト表題曲はトリップホップ的だがラストのハーシュノイズで終わるのが物凄くインパクトあり。

9.Kaede, Lamp『秋の惑星、ハートはナイトブルー。』

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儚い雰囲気のサウンドLampっぽい。ジャズっぽい感じがありつつ、家で一人気楽に過ごしている時聴きたい。テクノポップと言ったら中田ヤスタカみたいに、ラウンジと言ったらLamp、くらいにたしかにサウンドが凄い綺麗にまとまっていて温かい。

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10.Uilou『In My Mind』

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四つ打ちのハウスにボーカルというピチカート・ファイヴのようなスタイルで、やくしまるえつこCharaのようなウィスパーボイス、そしてトラックはテイ・トウワのような雰囲気。00年前後のドラムンベースのような「Liquid Mind」。

渋谷系を語るうえで欠かせないアーティストが、ピチカート・ファイヴだ。ピチカート・ファイヴ小西康陽野宮真貴からなる音楽グループで、1984年から2001年まで活動していた。代表曲「東京は夜の七時」は誰もが知る大ヒット曲で、当時の東京の煌びやかな空気を見事に表現している。その洗練された独特なサウンドに魅了される人は多く、今聴いても新しさを感じられる。

「東京は夜の七時」はハウスミュージックを軸にした楽曲だが、実は編曲を手掛けているのは福富幸宏である。福富幸宏は日本のハウスミュージックシーンのパイオニアとも評される音楽プロデューサーだ。ハウスを熟知した彼ならではのトラックと、小西康陽の知的かつキャッチーな詞曲が見事に融合し、歴史に残る名曲が誕生した。

渋谷系のシーンは次第に消滅してしまったが、2025年現在リバイバルブームが起きそうな流れが見受けられる。上記で述べた通りSerani Pojiの曲がバイラルヒットしたり、渋谷系に近いスタイリッシュなm-floの曲が流行したりなど、リスナーの需要が高まっているのは間違いないだろう。

そんな中、令和の渋谷系アーティストとして注目されているのがUilouだ。Uilouはjune-chanとAFAMooからなるダンスミュージックユニットで、渋谷系を彷彿とさせるお洒落さと現代的な新しさを感じられるサウンドを特徴とする。2025年1月には楽曲「Do Me a Favor」がSpotify Japan 急上昇チャート20位にランクインするなど、耳の早いリスナーの間で話題を呼んでいる。

entamenext.com

 

以上。