1.なかおちさと『NAKAO Chisato』
聴くと精神を崩壊するとして、一時期検索してはいけない言葉としても話題になったノイズ・アヴァンギャルド・ユニット"カールマイヤー"のなかおちさと氏のソロ作。灰野敬二やら村八分のような雰囲気で、シンプルにギターと歌の構成だが、そのアコースティックとディストーションの塩梅が程よい。「ぼくらの魂が舟をこぎだすとき」は名曲。
2.Various『CUTiE COLLECTiON』
雑誌「CUTIE」インスパイアのコンピレーションCD。暴力温泉芸者&花代のブライアン・イーノ「Baby's On Fire」カバーだけでも聴く価値がある。次曲の柚川倫「Finder Of Love」も隠れた名曲。その次の大沢伸一プロデュースのMISSI「Always」もクールなアシッドジャズ。
3.エレファントノイズカシマシ『DISCOVERY』
でぶコーネリアス同様、アーティスト名だけで内容は本家とまったく違う。強いて言うならサウンドはビートの無い『good morning』に近いが、内容はハナタラシ。ver.3.0はミュージック・コンクレートのような実験的サウンドで、ver.4.0はシュトックハウゼンのようなドローンノイズ。
4.Felt『Crumbling The Antiseptic Beauty』
「Evergreen Dazed」からギターがもうノスタルジックで哀愁漂う。ドラムもバスドラの音が強くてハット系の音がしない。というより、ギターとドラムの音、そしてボーカルの声しか聴こえてこないシンプルさ。
5.南正人『南正人ファーストアルバム』
ファーストとあるが実は2作目。全編曲・演奏にキャラメル・ママが携わっていて、聴き応えがある。聴いていて楽しい作品。「午前4時10分前」とか最高。遠藤賢司のように、どこかサウンドと言うか空間に孤独を感じる。かと思えば「ブギ」でいきなり女性ボーカルが入ってくるので驚く。
6.原マスミ『夢の4倍』
声と言うか歌声がたまの知久寿焼っぽいと思ってたがこの人の方が年齢も活動も長く、どうやら知久が参考にしたというリスペクトの人物で、たまっぽい。「フトンメイキン」とか最高。「月と星のドンチャ」とかほぼ実験音楽と言う感じのイントロで、古代の音楽のような祭りっぽい雰囲気。
7.Various『21世紀の京浜兄弟者 History Of K-HIN Bros. Co. 1982-1994』
そもそもが加藤賢崇の東京タワーズのファンクラブから発足したアート集団だが、メンバーに菊地成孔や永田一直(TRANSONIC RECORDS)、常盤響などが主要メンバーとして在籍。音楽自体はインストや歌モノがジャンルレスで展開される。打ち込みのテクノ歌謡的なものやジャズ、菅野よう子作品っぽい雰囲気がある。「すべての縦縞は交差したがる」とか最高。
8.団地スタイル『節々の痛み』
団地スタイルが発掘される時代になったのか、、、
— Megoe (@okymuut) 2023年10月31日
しかしかっこいいな pic.twitter.com/Uxk4l7sfRh
YouTubeにアップされている音源でしか確認ができない謎のバンド(?)。ふざけた感じの作風なのにファンクでロックでどれも演奏がカッコ良い。どうやら人気らしい「世田谷バイオレンス」は結構キラーチューンで2010年前後っぽいポップソング。「ディップ」もカッティングのディストーションギターがカッコ良いし「ごめんね」はじゃがたらっぽいファンク。
2006年作。これまたふざけた歌詞で00年代中後期ぽくてエモっぽいサウンドで、「23show」とか良い。ほぼ「Blue Monday」な「大塚娘」も良い。
10.宮沢正一『人中間』
夜一人で聴きたい、怖い作品。ドゥームメタルにお経のような歌が乗っかった「抱いて」でのっけから持っていかれる。「アレが来る」とか灰野敬二のようなインストのディストーションギターの炸裂に中盤タイトル絶叫。過激な感じがするが、友川カズキのような鬼気迫るボーカルに灰野敬二のような魂のギターが炸裂する作品。
以上。