1.Åke Hodell『220 Volt Buddha』
戦闘機のパイロットであり、詩人、作家でもある作曲家の作品。冒頭の謎のスロー再生した音声みたいな地面から鳴っているような声が不気味。人形劇またはクレイアニメかドローイングを用いた海外のホラー映画のBGMみたいな感じ。ノイズミュージックのようなコンクレートに、映画を音声だけ聴いているような不気味な音が続く。
2.Nadah El Shazly = ندى الشاذلي『Ahwar = أعوار』
エジプトのカイロを拠点に活動する女性アーティスト。中東の謎めいた雰囲気に、フリージャズのようなアヴァンギャルドさ。アブストラクトな沼の底のように形が見えないサウンドに、ダブのように音が行き交う。
3.不明『ESP - NASA Space Probe Recordings #4』
NASAの探査機、ボイジャー1号、2号から地球に送られてきた宇宙の音をアレンジ・可聴化したもの。スピリチュアル的な感じで、人体に良い作用をもたらす(感が冴える、五感が鋭くなる など)とされているが、聴いた感じは普通に宇宙っぽいドローンミュージック。音楽的に何か変わった感じはない。
4.Bengt Hambraeus『Concrete and Synthesizer Music』
タイトルの通りの内容。Merzbow的なシンセのノイズに、大野松雄のような実験的なドローンアンビエント。
5.Andrew Rudin『Tragoedia』
効果音を寄せ集めて1つの作品にしたような感じ。ただ単体の効果音を集めた効果音集ではなく、電子的な効果音のスクラップが集まって何やらの1つの作品となったパッチワーク。
6.Brötzmann / Bennink『Schwarzwaldfahrt』
フリージャズ。ただ単にフリージャズってよりは現代音楽的な実験要素があって、ミュージック・コンクレートとかフィールドレコーディングに通ずるエッセンスがある。サックスの音だけでなく、マイクロフォンにノイズのように伝わる風の音やら人の声などのパーカッション、音の響きと間、実験的にとりあえずRECして音を出しているみたいな感じ。
7.水谷聖 / 島田英明 / 桑山清晴『Gambetta』
80年代テープミュージック期のMerzbowのようなドローン的なノイズかと思ったら、秋田雅美の相方だった水谷聖が参加している。コンタクトマイクに電子機器を使ってドローンノイズを発していて、他にもバイオリンの音などが聴こえてくる。1曲が10分くらいあって長いが、夕暮れ時の不気味な静けさのような雰囲気を纏っている。
8.Rimarimba『In The Woods』
ガムランみたいな「Bamboo Link + Couldn't Top The Demo」だったり、ミニマリズムの「Clearview」だったり、ケチャみたいな「Fitall Wall」だったり、1曲が短いながらもあっという間に何とも言えない不思議な時間を堪能できる。
9.沢井一恵、西陽子、栗林秀明、竹澤悦子『ジョン・ケージ : 3つのダンス[プリペアド箏ヴァージョン]』
ケージのプリペアド・ピアノ作品の筝カバー作品。ピアノも弦なので、たしかにしっくりくる感じがするが、カバー感はない。ひたすら不協和な箏の音がシームレスに続く。 加古隆「箏とオーケストラのための協奏曲」が壮大過ぎて打って変わって現代音楽って感じがする。
10.00110100 01010100『871』
Four Tetの変名プロジェクト。ほとんどが電子ノイズのような、グリッチやドローンノイズっぽい作風であるのに対して「0000 871 0003」はギターの練習曲みたいな作品。ほぼノイズミュージックっていう印象。「0000 871 0007」は90年代のAphex TwinのようなIDMっぽい作風。
00110100 01010100
— 志位++和夫 (@hyper0dietter) 2022年2月28日
こんな名前のアーティストいるの面白い。八桁でインデントされているからバイナリかなと思って入力したら4T って出て気になって検索したらこれでFour Tetって読むらしく、正解で草。エレクトロニカの音楽好きだな。前衛的すぎるものはわからないけど pic.twitter.com/WXp76jmET7
以上。