1.Sonarr『Mortal Lair』
クリアながら霧掛かったようなくぐもったサウンド、lo-fiなビート、早口で淡々と放たれるラップ。しばし無心になって真顔で道を黙々と歩いて行ってしまいそうな力がある。音楽やリズムを聴いていたはずが歌詞に注目し始め、また音楽に耳を当てるような交錯した、作品として楽しめる贅沢な一品。
2.フラワーカンパニーズ『新・フラカン入門(2008-2013)』
どこかの誰かの青春のような曲。爽やかというよりも泥臭い垢ぬけていない感じがするのが良いし、どこか楽しかった日々を懐古的に思い浮かべてしまう。詩的な感じで鬼気迫る感覚で「深夜高速」は迫力が凄い。
3.新居昭乃『鉱石ラジオ』
渋谷系の名残を持ちながら展開した2000年代初期を感じる曲調。懐かしいながらも未来的な夢を感じさせてくれる。
4.betcover!!『時間』
パンクのような激しさとLoFi感があるが、曲はキリンジのような落ち着を見せている。「二限の窓」はなかなかエモい。激しさのある荒いリズムボックスとディストーションの効いたギターなのになぜこんなに癒されるのか。
5.TRICERATOPS『TRICERATOPS GREATEST 1997-2001』
冒頭の「Raspberry」からディスコ的なリズムのロックとリズムが懐かしさを感じられすぎて涙腺が緩む。あの複合施設のゲーセンで時を過ごした懐かしい思い出を呼び起こされる。たしかその時スピーカーから流れていた気さえする。
6.HIJOSEN『発露』
感情の芽吹きのような楽曲が多く、癒しのサウンドとノイズが交錯する作品になっている。完全ノイズの「境目」やポップな「紫の花」のようなふり幅がある。
7.自由が丘, 三月『トワイライト』
全体的にtiny pop(しょぼいポップス、DIY歌謡曲)的な雰囲気で、昔のインターネットミュージック的な洗練されたサウンド。ボーカルや歌い方が相対性理論っぽい感じがするし「お前を殺す」は明らかにボーカルが違うが渋谷系のようなオシャレさとカヒミ・カリィみたいなボーカル(男)。
8.Oll Lorrect『UNITY』
トラックが最高にカッコ良いし洗練されている。Disのない自我に語り掛けるような詩のようなリリックとY2Kの雰囲気。夕方辺りに渋谷・原宿を車で走っているときに聴くと刺さる。
9.Mom『¥の世界』
アシッド森田童子といった雰囲気で、サイケなフォークソングという感じがする。古いアルバムを開いて夢想に浸っているような幻想的な雰囲気で、オルゴール箱を開けたと共に思い出がよみがえるエモさがある。1曲の途中から全く展開の違う曲になるので次の曲になったのかと錯覚する。
10.butaji『告白』
STUTSと共に「Presence」を作成したbutajiだが、作品を聴いてみると中田裕二のような艶ロックを感じる。「I LOVE YOU」「奇跡」はクラブっぽい作風だが、以降はバラードやソウルっぽい。以前は清竜人、近年は藤井風のようなアーティストがこれに該当した。最近もSTUTSと「Presence」を作成したり今後の活動が気になる。
以上。