1.Costin Miereanu『Luna Cinese』
あの世からお迎いが来た時に流れてそうなポスト走馬灯の世界のBGMっぽい。本編が始まると思って待っていたらその音の地続きが本編だったというまるで人生のような作品。
2.Klein『Cave in the Wind』
クラシカルでアンビエントな雰囲気ながらも実験的な要素が多い。「Faith in a mirror」は突然動き出す敵のように突如音が襲いかかる。
3.Basil Kirchin『Basil Kirchin Is My Friend』
様々なジャンルを含んだ作品で、冒頭は謎のインタビューから始まる。感覚的にはジャズやソウル、ボサノヴァ的な印象が強く、昔のイタリアのカルト映画のBGMっぽい雰囲気。
4.Luc Ferrari『Didascalies』
ピアノやヴァイオリン、その他の楽器が雪崩のように押し寄せて終始鳴り響く。一部を切り取れば映画のワンシーンのような音楽だが、一歩過ぎれば大惨事のような、目まぐるしく変化する展開が分裂的。
5.Semool『Essais』
人が横経っているシンプル過ぎるジャケにディープ・ウェブのSuicide MouseのBGMを薄めたような音が永遠と続いている。腐った気分のときに聴くとヤバそう。
6.Felicia Atkinson『Everything Evaporate』
ドローンの上に載せられた子守歌のようなボイスが心地よい表題曲に、打楽器とその響きで空間を埋めているような「I Can't Stop Thinking About It」は瞑想的。全体的にエッセンスとしてボイスが散りばめられている。
7.Reptilicus And The Hafler Trio『Designer Time』
インダストリアルという雰囲気で楽しむことが出来る。深夜徘徊のBGM。人気のない夜道を当てもなくただ腐りきって彷徨うようなときにはトランスできる。
8.Hangedup & Tony Conrad『Transit of Venus』
インストのパンクと前衛ヴァイオリニストとの融合で最高にカッコ良い。もはやロックのように盛り上がれず真顔で見つめることしかできないが、芸術作品を見ているような感覚になる。テイスト的にはロックだが、クラシックを嗜む感覚で味わうことが出来る。
9.Jean-luc Godard『Nouvelle Vague』
映画界の巨匠ジャン・リュック・ゴダールの音楽作品。耳で聴く映画という感じがするが、映画丸っと1本分の尺がある。セリフとBGM、静寂すべてが詰められている。
10.Beatriz Ferreyra『Echoes+』
スキャットに誇張し過ぎたエコーやディレイを重ねることで音楽っぽくしているがメロディやリズムはない。夜中の学校で探索してるときにこれが音楽室から流れていたら"何か"を察知してすぐさま退散するような鬼気迫る怖さがある。
以上。