Patchwork Dream

随時、記事の加筆・修正または再掲載します。

個人的にツボなお笑い

笑うことは、多くの酸素の吸入を促し、脳内で放出されるエンドルフィンの増加につながる。また、「循環器系を刺激し、筋弛緩を促すことで、ストレスの身体症状の軽減をもたらす」

(省略)

「大きく笑うとストレス反応が急激に高まり、その後、クールダウンする。脈拍が速まり、血圧が上昇する。つまりどうなるのか?心地よく、リラックスした気分になる」

www.dhbr.net

お笑い芸人

ロバート

秋山の発想力、巻き込まれる山本、完全に乗っかる馬場の三つ巴が織りなすコントであるが、かなり社会派である。秋山の発想力はコンセプチュアル・アートと言っても過言ではないぐらい着眼点が鋭い。人々が普段表沙汰にしない社会の側面を独自の分析、解釈によって一種の解を民衆に提示しているように思え、社会学としての価値が高い。
クリエイターズ・ファイルはその文化的知見を提唱するためのプロファイルであり、夢の中の男こと「This Man」よろしく、誰もが一度はどこかで目にしたことがあるような偉人・アーティストなどを体現している。

creatorsfile.com

また、秋山自体毛量がかなり多いが、このコントにおける「毛量が多い奴はヤバい」という提唱を自らが体現して啓蒙している。

thetv.jp

ENGEIグランドスラムにて発表された『邪念ゼロ研究所』や『アスリートCM講習会』は特に印象的だ。

16. 2017年10月09日 20:30  id:o3o0DCHH0
キングオブコントで優勝したとき、知的障害者支援団体から障害者をばかにするなってクレームがきて
自分が演じたのは障害者ではない、障害者をばかにしているのは貴方がたなのでは?って
豪速球なげかえしたエピソード狂おしいほど好き

blog.livedoor.jp

ハリウッドザコシショウ

ザコシの凄いのは10年以上前から同じスタイルを付き通していることだ。これは、10年前にザコシがかのTBS系列番組『リンカーン』において、名作アニメ完全再現にて誰が見てもそんなシーンは一度も見たことがないと言えるような目玉親父の物まねから伺える。しかも完全再現において一言で矛盾するであろう「ショートコント けんけんぱ」を披露している(※目玉親父の物まねの一環としての発言)。3度に渡ってザコシに引導が渡されるが、3回目に至っては古畑任三郎の物まねで締めている(※テーマは名作アニメ完全再現である)。しかも完全再現において一言で矛盾するであろう「もしも古畑任三郎がバイクだったら」を披露している。

またザコシはYouTuberとしてチャンネルを持ってるが、投稿数が膨大であり、お笑い界のサン・ラと呼んでも過言ではないだろう。
再生時間24時間の勉強動画は長さの中に変化があり、お笑いにおけるプログレッシブさを垣間見せている。

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☟紅茶をこぼして暖を取ってるところから景色に現実味を帯びるが、紅茶でなくてもよい場面において紅茶にスポットを当ててシリーズ化しているのだ(2021年9月現在既出全2作品)。

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Twitterの批評において「パラノーマルアクティビティの新作だろ」というTweetが言い得て妙であるが、確かにナイトルーティンという前提で、一人とは思えないぐらい尋常じゃない喋りを続けている。そこから推測されるのはザコシ以外の何者かの存在が彼をそうさせているのではないかという推測だ。また、この映像からは『おさるのジョージ』をも感じさせる場面があり、同じく前衛舞踏家(総合アーティスト)として3本の指に入る小梅太夫を模したパートがある。ザコシとは日常における非日常を描くシュールレアリスムを体現した男と言える。

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小梅太夫

小梅太夫と言えば、日本テレビ系列番組『エンタの神様』において、自虐ネタ×芸者のスタイルが印象的だが、ダンスの要素を取り入れてたことによって単なるお笑いではなく前衛舞踊のような芸術として仕上がったのが象徴的だ。

www.youtube.com小梅のスタイルはジャズに近しいと言えるだろう。リズムに乗せて自虐ネタ及び悲哀を歌うのはブルースの根源であり、曳いてはジャズへと繋がってくる。ジャズはエレクトリック・マイルスに見られるような革新的な進歩を遂げてきた経緯があるが、近年の小梅のスタイルはその場の思い付きで考えたような常人には理解不能で難解なギャグが多く、シュール・ギャグとして捉えるべきなのか形容しがたいものとなっているのは晩年のピカソを彷彿とさせる。

☟以下は小梅によるTweetの引用である。

小梅は自虐ネタ×芸者であるが、ジャズは西洋音楽×アフリカの民族的感覚が合わさってできた黒人音楽の賜物である。ビバップやモード、ビッグバンドなど様々なスタイルによって展開しているが、晩年にはフリー・ジャズと言われる型に捉われずに演奏する即興演奏というスタイルを確立することでマンネリ化を防いだのだ。現在でもジャズのエッセンスは音楽の至る所に感じ取れるが、小梅からはこの即興と思しき抽象的で型に捉われないフリーなスタイルが見て取れる。そもそも小梅は「~かと思ったら」「~でした」「チクショー」という三段論法においても字余りになるようなメロディを外れる破調型を何度か行っており、さらに言えば「チクショー」でなくても良いのだ(TBS系列番組『水曜日のダウンタウン』にて小梅は「チクショー」が使用できない場面において、過去に「アンパンマン」で代用したとの発言がある)。ジャズ界の帝王マイルス・デイビスですらモードジャズの名曲「So What」にてコード進行を外してしまっているという。

小梅の良さは、TBS系列番組『水曜日のダウンタウン』にて「芸人が今までで一番面白かった瞬間は誰が見ても面白い説」においてロンブーの田村が紹介したTBS系列番組『テベ・コンヒーロ 』内におけるコーナー「小梅太夫で笑ったら即芸人引退」が小梅の魅力を引き出している。ここまでレベルを下げてお膳立てされたお笑いにおいて、小梅は下げられたハードルを尚もくぐり続け、想像を下回るクオリティがお笑いにおける沸点をも同時に下げたように伺える。演舞内の項目「チクショー1週間」において、ドブに落ちるという何ともない発言に加えて、絵心の無さを文字でかろうじて補っているドブの描写が非常にインパクトがある。かのマイルス・デイビスも70年前後のビートルズを筆頭とするロック・ポップスの影響なども相まってジャズから離れていった聴衆に対してサイケデリックなビジュアルとサウンドで対抗した名盤『Bitches Brew』をリリースしている。ちなみに小梅の代表作と言っていいギャグは「偏差値の低い学校に入学したら先生がチンパンジーでした」である。

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音楽性

上記、小梅もザコシも前衛舞踏家(総合アーティスト)として音楽における造旨は深い。アーティストとのコラボあるいはソロとしてのリリースさえ行っている。

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☟小梅もザコシもユニコーンのMVに出演している。

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ロバートの秋山においても特徴的な音楽性を醸し出しており、フジテレビのバラエティ番組『オモクリ監督』にて浅倉大介サウンドを彷彿させる「TOKAKUKA」を披露しており、度々コント内においてもオリジナルの楽曲が使用される場合が多い。

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テレビ番組

全力!脱力タイムズ

報道番組に偽装したお笑い番組だが、徹子の部屋並みに芸人泣かせのコンテンツと言える。どんなボケ担当でもツッコミに回らざるを得ず、情報番組なだけあって情報量に対してツッコミが間に合わず、難解な問題を終始芸人に対して問い続けるのだ。ホリケンが出た時のツッコミをするホリケンは新感覚であり、まだ見ぬ新規性を産み出している。前衛舞踏家(総合アーティスト)の小梅やザコシ、くっきーが出てくるが、真剣にならざるを得ない報道の場において"いるはずの無い存在"を演出することでシュールレアリスムを体現しており、これらの一見おふざけと形容されるべきスタイルの中に「あたかも世間の常識と言わんばかりに悪しき考えや傾向を流通させて国民感情を左右させ、国内規模の内ゲバを引き起こすテロ組織としての報道屋」を皮肉る、ある意味蛮記者やマスゴミに対するレジスタンスと言える。

☟公式なのが驚きだが、小梅とザコシの「香水」はマーク・リボーのカバーのようにアングラさを増している。The Shaggsのような小梅の歌唱に、菅原小春を連想させるザコシのコンテンポラリーダンスが相まって、まさしく総合芸術となっている。また白塗りの小梅が桑田佳祐にも見えてしまう部分も醍醐味である。

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LIFE!〜人生に捧げるコント〜

NHKの良きお笑い番組と言えば『サラリーマンNEO』と『LIFE!』である。
サラリーマンNEO』においては、はたらくくるまではなく人にクローズアップしたもので、課長バカ一代を彷彿させるサラリーマン・コントによって働く人のモチベーションとなっていた。『LIFE!』では会社や職場といった領域を出て幅広い日常におけるコントを展開している。

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コサキン・天海の超発掘!ものまねバラエティー

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ザ・細かすぎて伝わらないモノマネも最高に面白いコンテンツであることに変わりはないが、それ以上に深夜帯に放送され、知名度も低い当番組ではよりニッチで細分化された物まねが披露される。ひいてはメルヘン須長の「『ストリートファイター』のキャラクターになった沢口靖子」は実際にはあり得ず、一度もこの現実世界では起こることのない事象を敢えて仮定した上で想定プログラムとしてのものまねを展開する高度な技を披露している。ミラクルひかるMXテレビ『5時に夢中!』にて編集できない状況で下ネタをぶっこんでくる岩井志麻子」やレイザーラモンRGNHK教育テレビ『ザ・ソングライターズ』で赤いスイートピーを朗読する佐野元春」「THE虎舞竜『ロード』の最初のところ」のように元ネタありきの形態模写的なものではないため、如何に空想上の部分を視聴者の共通認識として受け止めてもらえるかの許容範囲が難しいところだ。また、日常の風景BEST3では、物まねでも何でもないごく普通に生きていて目にした光景や瞬間を各々の記憶の中の場面の共通認識で追体験するような、ある種あるあるに近い展開での物まね(と言うよりも劇)を行うといった実験的試みも行われている。

千鳥のクセがスゴいネタGP

www.fujitv.co.jp

こちらも近年挙がってきた番組で癖のある番組であるが、ある意味自由形である。どんなスタイルで披露しても構わないという方針で「癖が強い」と突っ込まざるを得ないようなネタが必要なのだ。ここでホットな芸人が狩野英孝である。EIKOというミュージシャンに扮し、路上ライブ的なスタイルで癖の強い音楽のカバーを披露するスタイルであり、時折ココリコ遠藤と組んで披露することもある。ここで味噌なのは、ただ歌の物まねと言うことではなく、その歌自体にオリジナリティを持たしたり、癖の部分でさえ歌が滅茶苦茶上手いというところだ。あの前衛舞踏家(総合アーティスト)ザコシに猿という英知を与えたのは狩野英孝であり、その狩野自身も音楽性を有し、実際にミュージシャンとしても藤井隆並みに活動している部分では評価が高い。

open.spotify.com

 

以上。